Project/Area Number |
22K10260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (10610941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10396715)
疋田 温彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60443397)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 骨リモデリング / イメージング / メカニカルストレス |
Outline of Research at the Start |
矯正歯科治療においては、矯正力により生じたメカニカルストレスにより、圧迫側では骨吸収が、牽引側では骨形成が亢進するが、その詳細は十分には明らかになっていない。本研究では、骨リモデリングをin vitroで再現可能な独自の系を培養細胞伸展システムと組み合わせ、メカニカルストレスが骨リモデリングに与える影響を細胞レベルで解析可能な系を構築し、基質変化や細胞動態を時空間的に明らかにする。本研究により得られた結果は、より良い矯正歯科治療の開発につながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞が存在する微小環境を変化させたときの骨芽細胞、破骨細胞の動態や、基質変化を検討するため、ストレックス社のストレッチチャンバーで、EGFPマウス由来骨芽細胞により生じた石灰化結節に、RANK-Cre xR26-tdTomatoマウス由来骨髄マクロファージを加えて共培養を行い、週1回、伸展率2.5%あるいは5%でチャンバーを伸展させて観察を行ったが、基質変化に与える影響が一定しなかった。また、微小環境変化によるRANKL発現の変化をとらえるため、RANKLに対する免疫染色を行ったが検出できなかった。そのため、微小環境の変化が細胞動態に与える影響の検討法を再考した。破骨細胞が分泌するコラーゲン分解酵素であるカテプシンKは、骨吸収窩においてコラーゲンを分解するが、微小環境に残存したその分解物が骨芽細胞系のreversal cellをmigrationさせ、吸収窩の再充填が起こるとの説がある。そのため、カテプシンKの阻害により、吸収窩の微小環境を変化させ、細胞動態や基質変化に与える影響を検討した。 まず、EGFPマウス由来骨芽細胞とCtsk-Cre x R26-tdTomatoマウス由来骨髄細胞を用いたin vitro共培養系で観察された吸収窩において、reversal cell様の比較的球形度の高い骨芽細胞が侵入している像を確認した。次に、カテプシンKを含むシステインプロテアーゼ阻害剤であるE-64を投与したところ、このreversal cell様の細胞が見られなくなった。さらに、吸収窩の再充填も阻害されていた。すなわち、微小環境の変化が細胞動態および基質の代謝に影響を与えることが確認できた。Reversal cellのマーカについてはMMP13が報告されていることから、MMP13の転写活性により蛍光タンパク質を発現するレトロウイルスベクターの作製に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞が存在する微小環境の変化が細胞動態や基質に与える影響の検討について、当初のストレッチチャンバーを用いた方法からタンパク分解酵素阻害剤を用いた方法に変更したが、一定の結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、微小環境の変化が骨リモデリングにおける細胞動態や基質変化に与える影響をin vitro系と2光子顕微鏡を用いた系により検討する。MMP13の転写活性を検出する蛍光プローブを骨芽細胞にレトロウイルスを用いて導入し、分化培養により基質を形成させて、Ctsk-Cre x R26-tdTomatoマウス由来骨髄細胞と共培養し、骨リモデリングを再現した培養を行う。吸収窩に出現する比較的球形度の高い細胞がreversal cellであることをMMP13の転写活性が上昇していることで確認し、この細胞の出現様式がカテプシンK阻害による微小環境変化により受ける影響について解析する。また、骨芽細胞の分化や活性化において重要な役割を果たすWntシグナリング活性を検出するプローブを骨芽細胞に導入し、微小環境変化がWntシグナルの経時的変化に与える影響を解析する。さらに、これらの系に骨リモデリングを促進する薬剤である副甲状腺ホルモン(PTH)を投与したときの影響を検討する。PTHは持続投与と間歇投与でそれぞれcatabolicおよびanabolicな効果を示すとされており、reversal cellの出現様式や基質の再充填に対する、それぞれの投与様式と微小環境変化の複合的な影響を解析する。
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