C. albicans由来新規病原因子カンジダリシンの作用点の解明
Project/Area Number |
22K10326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
堂前 英資 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50454559)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | カンジダリシン / Candidalysin / Heparin / C. albicans / カンジダ |
Outline of Research at the Start |
カンジダリシンはカンジダ症の病原因子として2016年にcandida albicansから分離同定されたペプチドトキシンである。カンジダリシンを欠損したC. albicansはカンジダ症を発症しないことから、カンジダ症の主な病原因子であると考えられている。本研究は、カンジダリシンと上皮細胞との結合を分子レベルおよび細胞レベルで明らかにすることを目的とし、さらに、この結合を阻害する分子を探索・同定し、口腔カンジダ症の予防法と早期治療法の開発につながる基礎的知見の獲得を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、未だ解明されていないカンジダリシンと上皮細胞との結合様式を、分子レベルおよび細胞レベルで明らかにするとともに、この結合を阻害する分子を探索・同定することである。今年度は、カンジダリシンを吸着・中和することのできる分子の検討で進展があった。 カンジダリシンを吸着する分子として血漿アルブミンが報告された(mBio. 2021;12(3):e0053121.)。この中で著者らはアルブミンの疎水性分子を結合する能力が、カンジダリシンの疎水性領域と結合・吸着し、カンジダリシンの細胞毒性を低下させることを報告した。 申請者はカンジダリシンC末端の複数のリシン残基による正の電荷に着目し、負の電荷をもつポリマーが電気的にカンジダリシンと結合することで、その細胞傷害活性を中和するのではないかとの仮説を立て研究を行った。その結果、ヘパリンを添加することによりin vitroでのカンジダリシンによる口腔粘膜上皮細胞への障害活性が大幅に低下することが明らかとなった。さらに、カンジダリシンによって生じる上皮細胞のサイトカイン産生もヘパリンの存在によって抑制されることが確認された。また、ヘパリンがカンジダリシンを中和することをビオチン化カンジダリシンを用いて確認することができた。これらのヘパリンによるカンジダリシン中和作用は、ヘパリンを電気的に不活化するプロタミンの存在によって、失うことが確認できたことから、カンジダリシン-ヘパリン間の電気的相互作用によって生じていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で報告した内容を、論文として発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画の概要で報告したヘパリン以外の分子を用いて同様の実験を行い、より優れた性質を示す分子、より臨床応用に適した分子の探索を行う。 さらに、カンジダリシンを他のメカニズムで不活化する方策の検討を行うと同時に、カンジダリシンが直接結合する細胞成分の同定に向けた検討を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)