Project/Area Number |
22K10357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 篤 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80283612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大北 全俊 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70437325)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 安楽死 / 自殺幇助 / 医学的な死の幇助 / 自発的な幇助死 / エンドオブライフ / 法制化 / 一般人 / 医療専門職 / Voluntary assisted dying / 日本文化 / 障害者差別 / 賛否両論 / ビクトリア州VAD法 / 医師患者関係 / 医療倫理 / 自発的積極的安楽死 / 実証研究 |
Outline of Research at the Start |
医師による自発的積極的安楽死および自殺幇助を意味する医学的な死の幇助(medical assistance in dying, MAiD)の倫理的許容性および合法化妥当性については人類の歴史が始まって以来議論が続いており、医療倫理学領域のみならず国家を問わず社会的な重大問題である。過去20年間、欧米中心にMAiDが少しずつ合法化されてきている。本邦でも、過去30年間を振り返るとMAiD関連の事件が複数起きている。今回、我々は医療介護専門職や一般市民のMAiDに対する態度とその理由を、混合研究法を用いて量的および質的に広く深く明らかにする。そしてその結果に基づき、本問題を規範的に考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
一年目には計画通りMedical assistance of dying(医学的な死の幇助)およびVoluntary assisted dying(自発的な幇助死)の文献研究を実施し現状把握を行った。その成果は Voluntary assisted death in present-day Japan: A case for dignity (Asai and Fukuyama, Clinical Ethics 2023;18:251-258)およびJapan should initiate the discussion on voluntary assisted dying legislation now (Asai, et al., BMC Med Ethics 24, 5 (2023))として国際査読付き雑誌に公表した。
前者では最近の日本社会で起きた事例を詳解し、自発的な幇助死に反対する多くの見解を同定した。その上で、反対意見の多くは根拠がぜい弱で議論が一方的であり、それらは日本社会でしばしば言及されるものの、自発的で医療の補助を受けた自死を否定する力はないことを示した。後者では、オーストラリア・ヴィクトリア州の自発的幇助死法を取り上げ、同法の本邦における意義を考察した。そして、様々な反論の中でも、日本では当該領域の議論を一切すべきではないという言論封殺的な論調は全く許容できず、少なくとも冷静に関連制度の議論を日本でも開始する必要があると論じた。
二年目の令和5年度は、海外雑誌から招待論文寄稿の依頼があり、Voluntary Assisted Dying: Japanese perspectives (Asai and Hua, Issue Fucus 2023;4(2):41-52)として、日本国内の現在の制度、法整備の状況、安楽死や自殺幇助に関する歴史、自発的幇助死関連事例、および映画や小説、エッセイ等の芸術作品における自発的幇助死の扱いやマスコミの論調について報告した。加えて、他のエンドオブライフの意思決定に関する法的整備の遅れについても指摘した。上記に平行して、令和5年度の一年間は記述倫理的実証研究の準備に費やした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二年目の令和5年(昨年度)に実証研究の研究プロトコールを完成させ、東北大学大学院医学系研究科倫理委員会に提出、審査を受け、研究実施に関する倫理承認を受ける予定であったが、混合研究法の種類の再検討、対象者の変更等のために質問票および研究計画書の完成が遅れ、3年目の令和6年度に倫理申請を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに量的な質問票調査の対象を一般人とすることは確定し、混合研究法としても説明的順次デザイン(まず量的調査票と分析を実施し、その後に質的インタビュー)を採用することが決まったので、この方針に基づいて質問票を含む研究計画書を完成させ、倫理承認を得て、本年度中に横断的調査研究、可能であれば医療専門職および一般人を対象とした質的研究を実施する予定である。
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