医療通訳者を含むチーム医療における協働モデルの構築
Project/Area Number |
22K10367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
濱井 妙子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (50295565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 浩昭 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (30208160)
永田 文子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30315858)
東野 定律 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (60419009)
大野 直子 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (90730367)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 医療通訳 / 通訳の役割 / チーム医療 / 患者安全 / 医療通訳の質 / リスクマネジメント / 外国人診療 / 医療コミュニケーション / 通訳の正確性 |
Outline of Research at the Start |
日本語で意思疎通が難しい外国人患者に安心・安全な医療サービスを提供するためには、訓練をうけた医療通訳者を活用することが最善の方法である。そこで本研究では、混合研究法を用いて、外国人診療において最適な患者ケアを提供するための課題を対処するために活用できるチーム医療の協働モデルの構築を目指す。研究成果は外国人住民のみならず外国人観光客に対する医療安全と質の向上、医療者の異文化能力教育、より公平な医療の達成に寄与する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、訓練をうけた院内通訳者とアドホック通訳者の通訳の正確性とコミュニケーションパターンの特徴からそれぞれの通訳者の役割を明らかにするために、2017年と2019年、2020年の2月~3月の75日間に収集した外国人患者受入れ拠点病院で院内通訳者または患者が連れてきたアドホック通訳者が介在した診療場面の音声データを用いて、通訳者が元の発言(原発言)を変更して訳出した通訳変更を行なった特徴を量的分析により検討した。院内通訳者の通訳変更の種類は、ネガティブの「省略」と「言い換え」、ポジティブの「自発的発言」が多かった一方、アドホック通訳者はネガティブの「省略」と「自発的発言」が多かった。院内通訳者の「言い換え」は、原発言の日本語表現が難しいやポルトガル表現にない、原発言が切れ目なく長い場合に発生していた。他方、アドホック通訳者の「自発的発言」は、通訳者が対話者として診療に参加する場合に生じており、役割交換をすることで患者にとって必要な情報が欠如していた。これらについては、さらに詳細な分析が必要である。分析過程で生じたポルトガル語の発言内容や通訳変更に関する疑問点(通訳変更して実際にわかりやすくなっているのか、適切な用語や表現が選択できているのか、患者に伝わっているのか、など)は、日本語とポルトガル語を話すバイリンガルの研究協力者に内容ならびに音声データの確認を依頼し、協議して疑問を明確にし、解決した。あわせて、医療スタッフならびに医療通訳者へのインタビュー調査(または、フォーカス・グループ・ディスカッション)の実施にむけて、チーム医療における医療通訳者の役割と、医療者と医療通訳者の協働方法を検討する目的で、先行研究レビューを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
診療場面の音声データのポルトガル語部分の発言内容ならびに通訳変更の部分に関する確認と協議に予想以上の時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は引き続き、研究計画の実施に向けての準備をする。具体的には、2017年~2019年の院内通訳者またはアドホック通訳者が介在した診療場面の音声データの質的分析(役割分析)を行ない、2022年度に行った量的分析の結果を統合し、通訳の正確性とコミュニケーションパターンの特徴から、それぞれの通訳形態の違いにおける通訳者の役割を明確にする。その結果と医療通訳基準を示して、医療通訳者をチーム医療の一員として医療通訳者とどのように協働できるかをテーマに、医療スタッフ(医師、看護師、ソーシャルワーカー、事務職員など)ならびに医療通訳者(院内通訳者、派遣通訳者)のフォーカス・グループ・ディスカッションの計画を作成し、研究代表者の所属機関ならびに必要に応じて対象者の所属機関の臨床研究倫理委員会(IRB)に申請する。 2024年度は医療通訳者を活用した経験のある医療スタッフ、ならびに、院内通訳者と派遣通訳者を対象に、患者・医療者・通訳者の協働モデルについて、対面または遠隔ツールを使用したフォーカス・グループ・ディスカッションまたはインタビュー調査を実施する。音声データは逐語録を作成し、質的分析を行う。分析の結果から、医療通訳者を含むチーム医療における協働モデルを提案する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)