Evaluation of credibility among epidemiological analysis methods for Staphylococcus aureus by whole-genome gene analysis
Project/Area Number |
22K10371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
永沢 善三 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (80706820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船島 由美子 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 講師 (70752814)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | MRSA / MLST / Phage ORF typing(POT) / PFGE / IR Biotyper / Coagulase typing / MALDI Biotyper / NGS / POT / Whole genome analysis / 菌株相同性 |
Outline of Research at the Start |
AMR対策プランでの報告では、2050年には世界での悪性新生物による死亡数を超えて薬剤耐性菌による死亡数が第1位と予測されている。 薬剤耐性菌の蔓延を防止するには、散発的な感染か同一菌株による感染かを鑑別することが重要である。現在、細菌を対象とした疫学解析には、遺伝子学的手法であるMLST解析法、PFGE解析法、POT解析法が実施され、その解析結果を基準に院内感染の有無が評価されている。しかし、菌株によっては同一菌株であっても疫学解析手法の違いにより成績の乖離が認められる。今回、ゲノム遺伝子解析データを基準に各種の疫学解析法で得られた成績との相関性を比較解析し各種検査法の精度を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性菌の出現と蔓延は世界的な問題であり、AMRの報告では2050年には世界で薬剤耐性菌による死亡者数が悪性新生物による死亡者数を超えることが予測されている。薬剤耐性菌の蔓延を防止するには、散発的な感染か同一菌株による感染かを鑑別することが重要と言える。現在、細菌を対象とした疫学解析には、遺伝子学的手法であるMLST解析法、PFGE解析法、POT解析法が実施され、その解析結果を基準に院内感染の有無が評価されている。しかし、菌株によっては同一菌株であっても疫学解析手法の違いにより成績の乖離が認める。現在、疫学解析手法の信憑性を解析した世界的な検証データは認められない。 本課題研究では、多くの疫学解析が実施されている黄色ブドウ球菌を対象に世界的に実施されている1)MLST解析法、2)PFGE解析法、および日本で頻用されている3)POT解析法、更に斬新的な4)MALDI-TOF MS解析法、5)赤外吸収分析 (IR Biotyper) 解析法などを実施し、各疫学解析手法で得られた菌株間の相同性を比較検証し、各疫学解析手法での信憑性を評価する。この疫学解析手法の信憑性解析が確立すれば、多くの医療機関において院内感染の蔓延を適切かつ未然に防止することに繋がる。 本研究では、主に国際医療福祉大学の関連施設である高邦会高木病院の協力を得ながら黄色ブドウ球菌150菌株を収集し、その内、50菌株を対象にMLST解析、POT解析、PFGE解析、IR Biotyper解析、コアグラーゼ型別解析、薬剤感受性パターン解析、MALDI Biotyper解析、mec解析、SCCmec解析をすべて行った。今後は疫学解析の結果を基に菌株数を限定し、全ゲノム解析を実施して各種疫学解析手法の信憑性を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
菌株収集した黄色ブドウ球菌(MRSA)の内50株を対象に1) MLST解析、2) POT解析、3) PFGE解析、4) IR Biotyper解析、5) コアグラーゼ型別解析、6) 薬剤感受性パターン解析、7) MALDI Biotyper解析、8) mec解析、9)SCCmec解析を実施した。その結果、1) MLST解析では9分類(最も多いタイプは5;12株、8;11株、1;6株、59;6株)、2) POT解析では34分類(POT1で最も多いタイプは、106;17株、93;16株、64;7株、104;6株)、3) PFGE解析では8分類(最も多いタイプは1;10株、2;10株、8;7株、4;6株)、4) IR Biotyper解析では24分類(最も多いタイプは9;9株、11;7株、8;5株、20;4株)、5) コアグラーゼ型別解析では7分類(最も多いタイプはⅦ;12株、Ⅲ;10株、Ⅵ;10株、Ⅴ;6株)、6) 薬剤感受性パターン解析では21分類(最も多いタイプは0000000001111111;9株、0001010111111111;8株、0011011110000000;3株)、7) MALDI Biotyper解析では24分類(最も多いタイプは4;9株、15;8株、16;4株、25;3株)、8) mec解析では4分類(最も多いタイプはclassB;22株、classA;16株、classC;6株、classA/B;6株)、9)SCCmec解析では5分類(最も多いタイプはTypeⅣ;22株、TypeⅡ;16株、TypeⅤ;9株、TypeⅣ/Ⅴ;2株)であった。今後は疫学解析の世界的な標準とされるMLST解析を基準に各種疫学解析手法間での相関性による一致率を検討する。 今後はMRSAの菌株数を限定し、全ゲノム解析を実施して各種疫学解析手法間の信憑性を評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はオックスフォード・ナノポアテクノロジーズのMinIONを使用し、全ゲノム解析を実施する。ただし、試薬キット類が高額なためMLSTおよびPOT解析の成績を踏まえ、菌株を限定し各種疫学解析手法間の信憑性を評価する。 現在、キアゲンの精製用カラム(Genomic-tip100/G)、ProteinaseK、NIPPON GENEのRNase Aおよびカナライテスクのリゾチーム等を使用し菌株からのDNA抽出を実施しているが、残念ながら純度の高いDNAが抽出されていない。そこでリゾチームの代わりにリゾスタフィン(富士フイルム和光純薬)を使用して高純度のDNA抽出を実施している。純度の高いDNAが抽出できればMinIONのFlow Cellにて菌株の全ゲノムを測定する。取得したデータ(fastq)はデータ解析用に処理を行い、Nucleotide BLAST(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を利用した菌種同定、PubMLSTあるいはRibosomal MLST(https://pubmlst.org/species-id or pubmlst.org/organisms)を利用したMLST解析、 ResFinder 4.1 (https://cge.food.dtu.dk/services/ResFinder/)を利用した耐性因子などの解析も実施し、最終的には全塩基配列の相関性(全塩基中、20塩基以内の違いは同一株と判断する)を検討する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)