Project/Area Number |
22K10403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
柳本 寛子 久留米大学, 医学部, 講師 (00441676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喜一郎 久留米大学, 付置研究所, 客員教授 (20140642)
児玉 英也 久留米大学, 医学部, 助教 (30758834)
小路 純央 久留米大学, 付置研究所, 教授 (50343695)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 聴力検査 / 聴覚障害 / 認知症 / もの忘れ予防検診 / 頭部MRI |
Outline of Research at the Start |
難聴は高齢者の日常生活動作(ADL)やQOLにも関連することが示唆されており、認知症との関係性をさらに解明するためには、ADLやコミュニケーション能力、認知機能、運動機能、社会的環境、頭部MRIなどの画像検査等包括的評価が重要である。 高齢者は難聴を認めても受診や補聴器使用に至らないケースもしばしばあり、二次予防三次予防の観点から支援体制の構築も不可欠である。久留米大学ではもの忘れ予防検診において、高齢者総合機能評価、認知機能検査、運動機能検査、心理評価などに加え、嗅覚に着目した取り組みを行ってきた。今回難聴と認知症の因果関係について包括的評価を行うとともに、支援システムモデルの構築を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の我が国は、今なお高齢者及び認知症患者の増加が見込まれている。認知症対策は予防や早期発見・早期介入が重要である。2017年に公表されたLancet委員会の報告でも、認知症の修正可能な危険因子として肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣の他、難聴も重要な因子としている。先行研究から難聴は高齢者の日常生活動作(ADL)やQOLにも関連することが示唆され、また認知症との関連についての報告もなされているが、未だ不明な点も多い。また高齢者は難聴をしばしば認めても受診や補聴器使用に至らないケースもあり、単に早期発見のみならず、二次予防三次予防の観点から支援体制の構築も不可欠である。 我々は、2005年度より地域包括支援センターと久留米市と協働で、地域に出向いたもの忘れ予防検診に取り組んできた。本検診において、高齢者総合機能評価(基本チェックリスト)、スクリーニング検査としての認知機能検査(改訂版長谷川式簡易知能評価スケール:HDS-R、Mini-Mental State Examination: MMSE、10単語記銘力検査)、体組成計や運動機能検査、樹木画テストなどの心理評価などに加え、嗅覚に着目した取り組みを行ってきた。 今回難聴と認知症の因果関係について包括的評価を行うために、オージオメトリーをもの忘れ予防検診にて実施し、聴覚機能の低下を抽出し、生活習慣病等の疾患の有無、ADLや基本チェックリスト、HDS-R、MMSE、Clinical Dementia Rating(CDR)との関連性の検討を行う。また、認知機能低下及び認知症の疑いの方、 聴覚障害が示唆される方については、当院において、頭部MRIによる脳統計画像解析や適宜耳鼻科での詳細な検査を実施し、解析を行い、聴覚障害と認知機能との関連性について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで新型コロナの影響を受け、もの忘れ予防検診が何度も延期・中断を余儀なくされてきたり、検診時の定員数を減らしての対応を行っていた。特に5類相当に変更以降は、検診事業も再開可能となり、今後順調にデータが集まってくるものと思われる。令和4年度令和5年度の過去2年間では、もの忘れ予防検診受診者が合計139名となっている。今後さらなる対象者の数が増え各種検査データを踏まえ分析をすることにより難聴(聴力障害)と認知症の関連を明らかにするとともに、予防への取り組みにつなげていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
久留米市もの忘れ予防検診にて認知症の疑いを持つ方をピックアップして久留米大学病院もの忘れ外来へとつなぎ、MRIなどの脳画像を始めより詳細なデータの収集を行い、さらなる蓄積に務める。 また令和5年度に、研究分担者である小路が委員長を務めている久留米市認知症支援ネットワーク会議(オレンジ会議)を中心に作成した、一般市民の方々が、認知症のことを正しく理解して、予防や早期発見や治療に繋げていただけることを目的とした『久留米市認知症支援ガイドブック』の改定を行った。今後さらなる改定も検討されており、認知症予防の取り組みとして、この支援ガイドブックにおいても、聴力障害について取り上げ普及啓発に努めたり、また医療機関としても耳鼻咽喉科の先生方のご協力も得られるような取り組みを検討している。 さらには佐賀県三養基郡基山町にて、久留米大学と基山町との連携協定に基づき、令和3年度からの介護予防検診のサポートも行っており、令和4年度より、オージオメーターを用いた介護予防検診においても、「聴こえのチェック」として検討を開始した。
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