脳卒中患者のSCU・ICU等集中治療室入室のアウトカムと経済性
Project/Area Number |
22K10437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
井上 貴裕 千葉大学, 医学部附属病院, 特任教授 (90868811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 真人 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50444055)
桑原 比呂世 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70940170)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | Stoke care unit(SCU) / Intensive care unit(ICU) / DPCdata / SCU / ICU / 集中治療 / 脳卒中 |
Outline of Research at the Start |
我が国の脳卒中患者において、SCU入室の有効性について我々は過去の研究ですでに明らかにしているが、ICU等と比較した分析の報告は世界的にもほとんどない。本研究ではDPCデータを用いて、脳卒中患者の入室場所(SCUあるいはICU等)の違いによる医療費を含めたアウトカムの違いについて、後ろ向き研究を行う。これにより、医療政策として、いまだ全国に普及しているとはいえないSCUの積極的な普及推進の是非についての判断材料にすること、及び地域事情に応じた集中治療室の有効利用になげることを目的とする。さらに、SCUの設置に地域差要因についても検討を行い、その普及のための方策を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
諸外国に比べ人口当たりのICUが少ない我が国において、集中治療室の有効活用は重要であり、医療政策における重要課題といえる。しかしながら、我が国では 必ずしも重症ではない脳梗塞や脳出血等の脳卒中患者が集中治療室に入室することも多く、本来、ICU(Intensive Care Unit)ではなくSCU(Stroke Care Unit)で治療を行うべき患者が病床を占有しているという事実もある。我が国の脳卒中患者の緊急入院において、SCU入室の有効性について我々は過去の研究ですでに明らかにしているが、ICU等と比較した分析の報告は世界的にもほとんどない。本研究では保持する大規模医療データであるDPCデータを用いて、脳卒中患者(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の入室場所(SCUあるいはICU等)の違いによる医療費を含めたアウトカムの違いについて、後ろ向き研究を行う。これにより、集中治療室の有効利用につなげることを目的とする。さらに、SCUの設置に地域差がある要因についても検討を行い、その普及のための方策を提案する。本年度はまず急性脳梗塞で入院した患者について検討した。37465症例の急性脳梗塞で入院した患者のうち、SCUもしくはICUに入室した8683名について解析を行い、プレペンシティスコアマッチングで、重症度等の背景を揃えた上で予後を比較したところ、SCU群はICU群と比較して、院内死亡率に有意差がなく、有意に入院日数が低く、入院費用も少ない結果となった。これらの結果より、SCUにおける神経系専門チームによる的確な処置と、迅速なマネジメント、およびリハビリテーションをはじめとした早期の患者の離床・活動開始の促進による効果が推定された。今後は、脳出血やくも膜下出血など、他の疾患についても同様の検討を行うとともに、地域による差異の原因についても検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況 協力病院から収集したDPCデータ(様式1、Dファイル、EFファイル、Hファイル)を分析する仕組みを構築し、データの取り込みを行った。ただし、取り込み対象病院は増加しており、今後も追加の処理が必要となる。Stoke care unit(SCU)を有し、かつIntensive care unit(ICU)を設置する病院を特定し、脳梗塞緊急入院患者について患者データの抽出を実施している。手術や対象となる診療行為、さらに重症度等についても特定を行い、患者データとの紐づけ実施した。また、Storke care unitの地域差を検証するために、地域の専門医数や患者数、ICU数等の集計を行った。 本年度は脳梗塞患者について、Stroke care unit(SCU)及びIntensive care unit(ICU)を有する病院についてデータ収集を完了し、上記統計解析を実施することができたており、今後論文化につなげる予定である。さらにStroke care unit(SCU)の地域差を検証するためのデータ収集を概ね行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は脳梗塞に加え、脳出血、くも膜下出血についてもデータベースの構築及び抽出を行い、統計解析を実施する予定である。脳出血とくも膜下出血ではもともと脳梗塞と比べ、予後が悪い傾向にあり、その中でもSCUがICUに比較して同等の有用性をもつかどうか、また特に有用となりうる患者群を選定するための層別解析について進めて行く。さらにStroke care unitの地域差が生じている要因を検証するため都道府県別のSCU数・症例数・専門医数を収集し、各症例の予後と照合しながら総合的に解析を行っていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)