Project/Area Number |
22K10511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
郡山 千早 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30274814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶽崎 俊郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任教授 (50227013)
山元 恵 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (70344421)
指宿 りえ 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90747015)
田ノ上 史郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (70611820)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 水銀 / 循環器疾患 / コホート研究 |
Outline of Research at the Start |
水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連が示唆されている。水銀の主曝露源は海洋由来の魚介類であるが、魚由来の不飽和脂肪酸には循環器系疾患に対して予防的効果があり、水銀の影響と拮抗する。不飽和脂肪酸の影響を加味した上で、水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連を検討した研究は限られている。本研究では、魚の摂取量が比較的多い日本人コホート集団において、不飽和脂肪酸の影響を考慮し、水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連を評価する。さらに、水銀代謝酵素の遺伝子多型との相互作用を検討し、水銀曝露と循環器系疾患との因果関係を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの先行研究において、食事・環境由来の水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連が示唆されている。本研究では、魚の摂取量が比較的多い日本人のコホート集団を対象とし、不飽和脂肪酸の影響を考慮した上で、 水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連を評価するものである。日本多施設共同(J-MICC)コーホート研究の鹿児島地域において、2006~2020年の間に脳卒中を発症したと診断され治療を受けた30名と、これらの患者と性・年齢・地域(市町村)をマッチングした対照群30名を対象として、ベースライン時に採血され冷凍保存されていた血液を用いて水銀値の測定を行った。対象者の男女比は8:7で、平均年齢は62.0歳である。脳卒中群と対照群の血中水銀値(中央値)は、それぞれ24.9 ppb (95%CI: 19.1- 29.6) と29.3 ppb (95%CI: 21.2-37.6)であり、両群間に統計学的有意差は認められなかった。さらに、循環器疾患リスクのバイオマーカーとなる検査項目結果(ベースライン時)と血中水銀値との関連を、回帰モデルを用いて検討した。血圧:血中水銀値は収縮期血圧と正の関連、拡張期血圧とは負の関連がみられたが、いずれも統計学的に有意な関連ではなかった。ABIおよびCAVI:ABIは下肢動脈の狭窄・閉塞を評価する指標であり、CAVIは動脈硬化指標として計測されている。これらの検査結果と水銀値との関連をみたところ、いずれの指標においても有意な関連は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
循環器疾患罹患者をケースとし、非罹患者をコントロールとした血中水銀値の測定が当初の目標であった。研究対象期間内に発症し、血液試料が保管されているケースについては、すべて水銀値の測定と解析は終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
循環器疾患患者をケースとしたケース・コントロール研究デザインにおいては、これ以上のサンプル数の増加は見込めないことから、今後は、循環器疾患リスクのバイオマーカーとなる検査項目(血圧、ABIおよびCAVI)の結果をアウトカムとした評価を行う予定である。本コホート研究の対象者は、ベースライン時から5年後の追跡調査時にも、これらの検査を行っており、特にABIとCAVIの変化と血中水銀値との関連を検討する。さらに食物摂取頻度調査結果から推定された不飽和脂肪酸摂取量(データはすでに入手済み)を考慮した上で、血中水銀値と上記バイオマーカーとの関連を、数理モデルを用いて解析を行う。
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