Project/Area Number |
22K10560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
柴田 陽光 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60333978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大前 憲史 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60645430)
伊関 憲 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70332921)
栗田 宜明 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 特任教授 (80736976)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | COVID-19 / SARS-Cov-2 / 重症化リスク / コホート研究 / 福島県 |
Outline of Research at the Start |
COVID-19重症化リスク因子が報告されている。しかし、SARS-CoV2ワクチンが開発・実用化されてきており、高齢者の重症患者が減少するなどリスク因子の変容が認められる。福島県においては、COVID-19入院患者の情報を定期的に収集して、これまでに3000名を超える患者データベースを作成した。今後新たな変異株ウイルスの発生によって、ワクチンの効力が充分に期待できなくなる可能性もあり、変容してゆく重症化リスク因子をタイムリーにいち早く理解することは喫緊の医学的な課題と言える。本研究の目的は福島県の患者データベースを利用して、変容してゆく重症化リスク因子を経時的に解析することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、SARS-CoV2のようなパンデミックを引き起こす感染症における重症化リスク因子は流行状況に応じて変容するとことの立証である。 2020年から2023年にかけて福島県内27医療施設におけるCOVID-19入院患者データベースが構築されている。本データベースでは患者の臨床的な背景、症状、併存症、肺炎の有無、低酸素血症の有無、行われた治療、ワクチン接種の回数、転帰といった情報が利用可能である。また、第1から第9流行波十分な症例数が登録されていることもあり、様々な解析が可能となってきている。流行初期にはCOVID-19重症症例は高齢者が中心であった。しかしα株流行以降、2021年春から秋にかけて高齢者を中心にワクチン接種が進み、それに伴って重症化する症例は中年、肥満者に多く認められるようになった。α株流行期における重症化リスク因子は①高齢、②肥満もしくは糖尿病の合併、③初診時38度以上の高熱、④経皮的酸素飽和度SpO2 96%未満であることが本研究によって明らかにされた。そしてこれらの危険因子を利用した増悪予測評価システム(DOATSスコア)を構築した(BMC Pulm Med 2023)。DOATSスコア自動計算機はwebでも公開されている。 デルタ株流行期における軽症~中等症患者の入院後重症化(酸素投与の開始、ステロイドなどの治療開始、人工呼吸器導入)に寄与する因子が検討され、①高齢、②脂質異常症の併存が重症化に寄与し、③ワクチン接種、④中和抗体投与が非重症化に寄与していることが示された(Int J Med Sci 2022)。 オミクロン株流行期では軽症~中等症患者の入院後重症化に寄与する因子を検討し、①要介護状態が重症化に寄与し、②抗ウイルス薬モルヌピラビル使用が非重症化に寄与していることが示された(Clin Exp Med 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに3編のpublicationを達成しており、4編目の投稿論文がリバイズに進んでいる。 SARS-Cov-2流行株の違いによって、重要化リスク因子が異なってきていることを実証した。本研究の目標は「SARS-CoV2のようなパンデミックを引き起こす感染症では、その重症化リスク因子は流行状況に応じて変容するとことを立証する」ことであり、目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
α株流行期においてCOVID-19増悪予測評価システム(DOATSスコア)を構築し、自動計算機をwebでも公開したが、現時点ではオミクロン株が流行の主体となっている。よって、オミクロン株においてもDOATSスコアが有効であるかどうかは不明であるため、その検証を進める。
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