Project/Area Number |
22K10610
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58040:Forensics medicine-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
浅野 水辺 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90283879)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 薬物中毒 / ホルマリン / エタノール / 臓器 |
Outline of Research at the Start |
中毒の診断には血液や尿中の薬物検査が不可欠で、形態学的検査のみでは病死と誤診されることがある。解剖時には疑われていなかった中毒死の可能性が事後に判明し、検査用血液が保存されていない場合を想定し、本研究では入手が容易で嗜好品でもあるアルコール及び医薬品の中でも中毒事例の多い向精神薬について、ホルマリン固定臓器からの検出・定量を試み、中毒死の診断が可能かを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
法医鑑定において鑑定対象の飲酒の有無は重要である。解剖時に血液が採取保存されていなかった場合や、事後に再鑑定が必要になった場合を想定し、ホルマリン固定臓器を試料として、アルコール(エタノール)摂取の有無やその程度を判別できるかを明らかにすることが本研究の目的である。 ホルマリン固定臓器からエタノールを検出できることが明らかとなったので、昨年度に引き続き、症例を追加且つ、観察期間を延長して、ホルマリン浸漬期間とホルマリン固定臓器中エタノール濃度や死亡時エタノール濃度の関係を検討した。飲酒が明らかな解剖症例(死後血中エタノール濃度平均2.4mg/mL)から得た肝臓、腎臓、肺臓、脳を最長15ヶ月間ホルマリン固定し、経時的に臓器及び浸漬ホルマリン中のエタノールをヘッドスペースGC法で定量し、下記の結果が得られた。 未固定の臓器中エタノール濃度と比較し、ホルマリン固定臓器では浸漬直後にエタノール濃度は減少し、その後はほぼ一定であった。臓器重量の約10倍量のホルマリンに浸漬した場合、臓器中エタノール濃度の未固定臓器比は肝臓6.2%、腎臓5.9%、脳8.0%でほぼ一定となった。浸漬ホルマリンからは約0.1mg/mLと微量のエタノールが検出された。臓器中エタノール濃度の減少率は、浸漬するホルマリン量が多いほど大きかった。臓器によって減少率に有意な差はなかったが、脳ではやや減少率が小さい傾向にあった。死亡時血中エタノール濃度による減少率の差は認められなかった。 以上の結果から、エタノールはホルマリン浸漬後速やかにホルマリン中に拡散し、その分布は臓器含水量と浸漬ホルマリン量に規定されることが推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象症例数を増やし、ホルマリン固定期間を最長で年単位まで伸ばして、臓器中エタノール濃度の経時変化を検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ホルマリン固定したヒト臓器中の向精神薬濃度の経時変化を検討し、ホルマリン固定臓器で薬物中毒診断が可能な薬物を明らかにする。
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