Project/Area Number |
22K10616
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58040:Forensics medicine-related
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
古川 福実 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40156964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00244731)
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10364077)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 時計遺伝子 / 皮膚損傷 / 受傷後経過時間 |
Outline of Research at the Start |
これまでの応募者らの教室におけるマウスを用いた研究で、受傷1日後の皮膚組織では時計遺伝子の発現が正常皮膚組織と比較して著しく抑制されることを見出している。したがって、本研究は受傷直後から2週後まで経時的に損傷皮膚組織と正常皮膚組織を採取してRT-qPCR法により解析し、創傷治癒が時計遺伝子の発現の回復をもたらすのか、そして、時計遺伝子発現回復の程度が受傷後経過時間の指標と成り得るのかを検証する。また、本研究では損傷組織での時計遺伝子発現抑制が創傷治癒において果たす機能を明らかにする事も重要な目的の一つである。さらに、マウスモデル得られた結果を剖検試料に応用して、法医実務での有用性を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、主にマウス皮膚損傷組織における時計遺伝子とその下流にある分子のタンパク発現について解析を行った。2時間間隔で作製したマウス皮膚損傷組織から受傷1日後に採取した皮膚試料および対照となる正常皮膚組織試料からタンパク抽出をおこないWestern blottingにより時計タンパク(Bmal1とRor-γ)の解析を行った。マウス正常皮膚組織における時計遺伝子Bmal1は朝8時頃をピークとして振動するが、Bmal1タンパクは夕方6時頃をピークとして顕著な振動を示すことを見出した。Bmal1と逆位相で振動するRor-γ遺伝子発現の産物Ror-γタンパクは午前0時頃をピークとして強固な振動を示していた。一方、損傷皮膚組織においてはBmal1タンパクの振動は消失していたが、Ror-γタンパクは正常皮膚組織と同様の振動を示し、且つ発現が増加することが明らかとなった。このことは時計遺伝子に加え時計ンパクに基づく死亡時刻や受傷後経過時間の推定が皮膚損傷組織やそのパラフィン包埋標本を用いて行える可能性を示すものと考えられる。これらの知見を基に、皮膚に発現する分子の内で発現が時計遺伝子による制御を受ける可能性のある分子について発現の概日振動の解析を始めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス皮膚損傷試料を用いてRT-qPCRおよびWestern blottingにより時計遺伝子、時計タンパク、更に時計遺伝子により発現制御を受ける分子の解析が安定して行えている。得られたデータの解析も順調である。
|
Strategy for Future Research Activity |
①皮膚組織においてautophagyが概日性に変化する可能性を示す知見を得ていることから、autophagy関連分子の概日性振動を正常皮膚組織と損傷皮膚組織について解析を進める。 ②マウス皮膚損傷試料における時計タンパクの概日性振動の免疫組織学的解析を進める。 ③創傷治癒が時計遺伝子の概日振動に及ぼす影響の解析を進める。
|