Project/Area Number |
22K10634
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 多美子 四国大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40716049)
小山 一 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80109074)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | ウイルス不活化 / スキンケア / 消毒 / 組織障害のない / 感染対策 |
Outline of Research at the Start |
昨今のCOVID-19は、病院内外を問わず現代社会における感染対策の重要性を、あらためて気付かせるものとなった。手荒れの少ない消毒薬は、看護現場のみならず手指衛生の遵守のために重要であり、また、新興再興感染症への対策には呼吸器粘膜に侵入した病原体への 消毒が効果的である。私達は、アミノ酸の一種アルギニンが微酸性条件下で強いウイルス不活化作用(消毒作用)を示した。アルギニンの特性に注目し粘膜面にも使用可能な「安全で不活化効果の高い消毒薬」や「安全で使いやすい洗口液」を開発できる可能性を考え、その開発に向けた研究を計画した。
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Outline of Annual Research Achievements |
組織障害作用の少ない消毒薬は、単に安全で使いやすい消毒薬という枠を超え、体表での表在性ウイルス感染症に対する予防薬・治療薬としての可能性がある。我々は、食品由来成分に注目して抗ウイルス活性やウイルス不活化活性を探索してきた。塩素系消毒薬は広範囲の微生物の消毒に有効だが、組織障害作用が強く使用に制限がある。亜塩素酸水(以下CAW [Chlorous acid water]) は亜塩素酸を水溶液中に安定化させた消毒剤であり、細胞障害作用が弱い利点がある。CAWを水溶液中に安定化させた消毒薬であるが、酸性条件下でも効果的であり細胞障害作用が弱いという利点がある。本年は、CAWの殺ウイルス特性と細胞障害作用について次亜塩素酸ナトリウム液(NaClO)と比較検討した。ウイルスにはA型インフルエンザウイルス[IV]、ネコカリシウイルス[FCV]、ポリオウイルス1型[PV-1]、コクサッキーウイルスB5型[CB5]等を用いた。1)CAWは調べた全ウイルスを不活化するが、エンベロープウイルスは非エンベロープウイルスより感受性が高く、非エンベロープウイルスでも呼吸器感染ウイルスは消化器感染ウイルスより感受性が高かった。2)PV-1とCB5へのCAW作用は、両ウイルスともに低濃度でも30秒以内に10-2以下に殺された。 また、医療現場での感染対策に向けた基礎データの収集のため、昨年に引き続き実験的にウイルス汚染したマスク上に付着したウイルス感染力の時間変化をIAVとヘルペスウイルスを用いて定量的に解析した。試料(市販の不織布マスク、布マスクから切り出した布片)に汚染した場合のウイルス感染性の変化は、ウイルス種やマスク素材に相違があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織障害性の少ない新しい消毒剤の検討をウイルス不活化を中心とした実験を重ね、定量的に解析してきた。また、環境下にあるウイルスがもつ感染能力も解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
スキンケアに有効であるものを探索する基礎研究を進め、衣服に付着した環境下にあるウイルス種の感染能力を定量的に解析する。
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