医療介護ロボット活用時の訪問看護倫理ガイドラインの作成と有用性の検証
Project/Area Number |
22K10771
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
伊藤 千晴 人間環境大学, 看護学部, 教授 (20434574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
為永 義憲 人間環境大学, 看護学部, 助教 (10802639)
原 好恵 人間環境大学, 看護学部, 講師 (20441397)
篠崎 惠美子 人間環境大学, 看護学部, 教授 (50434577)
江尻 晴美 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (60515104)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 医療介護ロボット / 訪問看護師 / 倫理的課題 / 訪問看護 / 看護倫理 / 訪問看護倫理ガイドライン |
Outline of Research at the Start |
日本では現在急速に高齢化が進んでおり,超高齢化社会に直面している。さらに単独世帯や認知症のある人の人口が増え,在宅医療を維持するためには手厚い生活支援が必要である。在宅療養者は確実に増加していることになる。しかし在宅での看護・介護を必要とする人口が増えれば,当然マンパワー不足が懸念される。 本研究では、医療介護ロボットの導入による倫理的課題への取り組みの整備を目指し、【医療介護ロボット導入に伴う訪問看護倫理ガイドラインの作成と検証】を目的とする。その結果,マンパワーが少ない中でも訪問看護の質を維持したケアが提供できることにつながると確信している。
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Outline of Annual Research Achievements |
国は介護・医療現場における従事者の負担軽減のための介護ロボット導入支援を強化してきた。ロボットが導入されることのメリットは大きい。反面、医療現場に新たな倫理的課題を生み出すことは間違いない。本研究では、訪問看護に焦点をおき医療介護ロボットが導入されることによって生じる倫理的課題に対し、倫理ガイドラインを作成し有用性について検証することを目的としている。 現在、医療介護ロボット導入による訪問看護の倫理的課題の明確化については研究が終了している。結果については、191施設より質問紙の回答があった。訪問看護師経験年数は7.1±5.7年であった。医療介護ロボットに対して賛成が85、反対が5、どちらとも言えないが78、不明が23であった。医療介護ロボットにシフト・シェアできる業務、看護師にしかできない業務の3択で50%以上の項目を抽出した。シフトできる項目は「物品の消毒」のみで、シェアできるものは「リハビリ」「入浴・シャワー浴」「リラクゼーション」等26項目、看護師にしかできないものは「吸引」「浣腸・摘便」「死後の処置」「家族への説明・連絡」等15項目であった。訪問看護師はロボット導入に肯定的であったが、タスクシフトできると考える業務は殆どなく、生活援助技術はロボットとシェアができる、診療の補助技術は看護師にしかできない業務として認識していることが示された。 インタビューでは、安心・安全及び責任の所在など具体的な課題が明らかになった。これらの結果をもとに、訪問看護師が望むロボット像が明確になりつつある。併せて倫理ガイドラインの作成に着手している。 いずれも学術集会で発表し、広く臨床や専門家からの意見を求めた。今後は、倫理ガイドラインを作成し、国内外での学会で発表し有用性を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①国内外の学術集会や勉強会に参加し、機械工学・情報科学および倫理の専門家からの情報収集を積極的に行い研究に関する専門的な知識を蓄積した。また科研のメンバーで月1回程度集まり、勉強会を開催し情報共有に努めた。さらに今回の研究で協力が得られているICTやAIなどの技術を開発している企業の開発者から、現在開発中または活用中の医療介護ロボットに関して実際にどの範囲で代替が可能であるのか、あるいは代替不可能な看護実践はあるかについて情報収集をした。定期的に会議を設け科研メンバー全員で情報を共有した。 ②訪問看護師及び看護倫理の専門家から、医療介護ロボット導入において問題となる倫理的課題について、伊藤の先行研究結果をもとに質問紙調査表を作成し実施した。質問紙調査は既に終了し、成果については学術集会で発表した。また質問紙調査の結果を踏まえ、より具体的な倫理的課題を明確にするためにインタビュー調査を実施し終了している。現在成果をまとめ、国際学会で発表するための準備に取り掛かってる。 ③今までの成果をまとめ、訪問看護及び機械工学・情報科学に詳しい専門家・倫理の専門家でチームを作成し、専門家会議を予定している。今後、訪問看護倫理ガイドライン専門チームを中心に、倫理原則ごとの倫理的課題に対するガイドライン、ロボット導入時の倫理的配慮チェックリスト、訪問看護師が直面しやすい事例を取り上げて考え方を提示していく予定であり、概ね予定通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの成果をもとに、科研メンバー及びICTやAIなどの技術を開発しているNECソルーションイノベーター研究者が中心となりチームを作成し、専門家会議を予定している。 今後、訪問看護倫理ガイドライン専門チームを中心に、倫理原則ごとの倫理的課題に対するガイドライン、ロボット導入時の倫理的配慮チェックリスト、訪問看護師が直面しやすい事例を取り上げて考え方を提示していく予定である。作成したものは複数の訪問看護施設におけるガイドラインの試行を通して検討を繰り返し、有用性を高めていきたい。またその成果を国内外の学会等で公表し、意見交換を行い医療介護ロボット活用時の訪問看護倫理ガイドラインを完成させ、訪問看護施設への普及を目指していく予定である。研究代表者が開設しているHP「ともに考える看護倫理の仲間たち」でも情報を発信し、広く意見を求めていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)