救急看護の臨床判断力と看護実践力を磨く高度化したLMSの開発と実装
Project/Area Number |
22K10776
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
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Research Institution | Reiwa Heath Sciences University |
Principal Investigator |
苑田 裕樹 令和健康科学大学, 看護学部, 講師 (70614494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 敏博 熊本大学, 半導体・デジタル研究教育機構, 教授 (20284739)
八木 街子 (佐伯街子) 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (60610756)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 救急看護 / 看護実践力 / 臨床推論 / 看護教育 / Moodle / LMS / VR / 学習課題分析図 / 臨床判断力 / 学習管理システム / インストラクショナルデザイン |
Outline of Research at the Start |
救急領域の看護師は、臨床判断力を発揮して看護を実践する必要がある。しかし、救急外来の緊急性の高さから看護師に対する学習機会の制限が多い。本研究では教材の適用範囲を救急外来全体に拡大し、かつ、Virtual Reality 技術等を利用した User Interface を持つ学習管理システムを開発し、救急看護領域の看護師が臨床判断力を習得し看護実践力を錬磨するための学習コンテンツを構築する。学習コンテンツ設計には、インストラクショナルデザイン領域の知見を活用し、仮想的な種々の場面での的確な臨床判断を問うシナリオ等を含む、実践的な臨床判断力の向上効果が着実に得られる学習コンテンツとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の計画を進めるために、毎月1回の定期ミーティング(WEB)を開催した。 まず、LMSの高度化とコンテンツ設計(担当:喜多、苑田)について、LMSの高度化の現状を把握するため、世界的な取り組みについて文献や学術集会で情報を収集した。そして、研究分担者(喜多)と研究代表者(苑田)などが2021年度まで取り組んでいる科研費 基盤研究(B)「教育で防ぎ得た重大事故を防ぐ能動的LMSを軸とする安全教育システムの実現」での成果である能動的LMSの開発実績を踏まえ、Oculus Quest 等のVRデバイスをMoodleのUser Interfaceとして用いるための学習用VRコンテンツの設計について検討した。VRデバイスを用いることでの学習効果についても様々な報告がなされているが、より多くの看護師が活用する教材にするためにはLMSの機能とメリットを活かすことに重点を置くこととし、MoodleにH5P(Lumi)を組み合わせることで高度化させ、さらにID(インストラクショナルデザイン)を用いて魅力的なコンテンツを目指すこととした。 次に臨床判断力の習得システム、臨床推論スキル検証のコンテンツの基本設計(担当:八木、苑田、喜多)については、臨床判断力、及び臨床推論スキル検証の教育システム設計に向け、各研究者の経験や知見を集約して検討した。はじめに、増山らによって構築された「救急看護の体系的アプローチ」を基盤として設計を開始した。次に、救急看護において臨床判断力が求められる症候として胸痛や呼吸困難、意識障害などの致死的疾患に焦点を置き、「救急看護の体系的アプローチ」と臨床推論(仮説演繹法)を組み合わせる形で学習課題分析を明確化した。これは、日本教育工学会全国大会(2023年春季)で「救急看護における体系的アプローチに基づいた臨床推論能力育成のための学習課題分析」として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄の記載の通り、2022年度の計画についてはおおむね順調に進展している。 研究分担者(喜多)と研究代表者(苑田)などが2021年度まで取り組んでいる科研費 基盤研究(B)「教育で防ぎ得た重大事故を防ぐ能動的LMSを軸とする安全教育システムの実現」において購入した360度撮影カメラとOculus Quest 等のVRデバイスを引き続き活用し、今回、360度動画を編集するための高スペックPCと編集ソフトを購入したことで、VRコンテンツの制作が可能となった。また、1年目の研究成果として、日本教育工学会全国大会において報告を行った。 研究分担者(喜多)は、複数のシステム情報に関連する学会に参加することで高度化したMoodleに関する世界的な動向等に関する情報収集を行い、高度化したLMS(Moodle)の設計に着手している。研究分担者(八木)はInternational Meeting on Simulation in Healthcare (IMSH) への参加や、ハワイ大学SimTiki シミュレーションセンターでの活動実績と、教授システム学や救急看護の専門性を活かし、シミュレーション教育やICT教育の最新の動向を研究メンバーと共有しながら計画を進めることに貢献した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降の計画として、以下の内容としている。 1.高度化LMSの改善とコンテンツ実装(担当:喜多、苑田)。H5P(またはVRデバイス)をUser Interfaceとする高度化したLMSを構築する。そのために、前年度に検討した学習課題分析図に基づいて、仮想的な種々の場面での的確な臨床判断を問うシナリオを含む学習コンテンツを開発する。動画撮影においては本学臨床シミュレーションセンターの模擬病室(集中治療室)を救急外来として環境を調整し、再現性・忠実性の高い環境下で、360度撮影カメラを用いて撮影する。編集においてはFinal Cut Proを活用してH5Pに使用する360度動画(またはVR動画)制作し、Moodleに実装する。 2.救急看護における臨床判断力の習得システムの基本設計(担当:八木、苑田)。前年度に設計(一部試作)した、救急看護領域の看護師が臨床判断力を習得して看護実践力を錬磨するための学習コンテンツの構築を進める。そのために、致死的疾患に対する臨床推論に焦点をあて、症候別にシナリオを検討する。学習課題分析図の手順分析とそれに紐づく下位目標から小テストを設置し、意図的に知識を活用しながら臨床推論を進めるコンテンツを作成し、360度動画とともにMoodleに実装する。 3.救急領域に従事する看護師に対して学習コンテンツの形成的評価(限定した人数での試用および改善点の発見)を行う。LMSの精度や臨床推論スキルを検証し、臨床判断力を習得する教材となり得たかどうか、臨床実践レベルの教材であったかどうかの評価を実施し、改善点を整理しながら改良する。 4.日本教育工学会、または関連する日本医療教授システム学会等で研究成果を報告し、論文投稿へ向けて準備を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)