うま味刺激による筋肉ー脳ネットワーク強化を介した糖尿病患者の情動改善効果の検討
Project/Area Number |
22K10781
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58060:Clinical nursing-related
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
酒井 知恵子 鳥取大学, 医学部, 講師 (90734327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 洋輔 鳥取大学, 医学部, 助教 (60448678)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 味認識 / 2型糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
2型糖尿病患者は、甘味嗜好が強く食事療法の達成が難しい。また、筋力低下(サルコペニア状態)や運動意欲の低減により運動療法への取組が困難な場合がある。申請者は、2型糖尿病患者と動物を使った検討から新たな結果を得た。そこで、本研究では、「うま味成分の摂取は、2型糖尿病患者の甘味嗜好の抑制や運動意欲の向上といった情動を変容させ糖尿病性サルコペニア改善に有効か検証する」ことを目的とする。そのために、うま味成分の摂取による変化をヒトと動物において以下①②③を検討する。①甘味感受性、甘味嗜好性の検討②筋肉量、運動意欲の検討③血中の摂食調節ホルモン、インスリン抵抗性の検討。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病患者は、甘味嗜好が強いため甘い物の摂取量を調整できず、食事療法の達成が困難である。また、筋力低下(サルコペニア状態)や運動意欲の低減により運動療法への取組が困難な場合がある。本研究では、「うま味成分の摂取は、2型糖尿病患者の甘味嗜好の抑制や運動意欲の向上といった情動を変容させ糖尿病性サルコペニア改善に有効か検証する」ことを目的とする。本研究により、うま味成分による筋肉(運動能)と脳(甘味嗜好性、運動意欲)への作用が明らかとなれば、2型糖尿病患者の味覚改善の重要性と改善法、食事療法と運動療法を両立させる為の新規手法、を提示できる。研究目的を達成する為、うま味成分の摂取による変化をヒトと動物において、以下①②③を検討する。①甘味感受性、甘味嗜好性の検討、②筋肉量、運動意欲の検討、③血中の摂食調節ホルモン、インスリン抵抗性の検討。本年度は、動物モデルを用いた、うま味成分の作用の検討を行った。正常マウス(C57BL/6)と肥満モデルマウス(ob/ob)にうま味成分を摂取させ、筋肉量(大腿筋量)の変化を検討した。今後は動物モデルを用いた、筋組織、脳における、うま味(T1R1/T1R3)、甘味(T1R2/T1R3)受容体の発現変化を免疫組織学(IHC)により検討する。また、筋肉の萎縮や機能に関わるFOXO1、PGC1αの発現変化についても検討を加える。味覚認識、嗜好性、運動意欲(情動)に対する変化については、脳内の弧側核、脳内報酬系の側坐核、腹側被蓋野における神経細胞の活動をIHCにてc-FOS発現変化により確認する。更に、2型糖尿病患者を対象として、うま味成分の摂取は、筋発達と運動能・運動意欲(情動)の向上に有効か検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、以下の検討を行った。 ①培養骨格筋細胞(C2C12)における骨格筋分化に伴ううま味成分の評価をした。 培養骨格筋細胞(C2C12)にうま味成分を処理すると筋分化が促進された。この結果から、うま味成分に筋組織の発達やエネルギー代謝を亢進させる効果はあるのか更に検討をする。 ②正常マウス(C57BL/6)と肥満モデルマウス(ob/ob)にうま味成分を摂取させ、筋肉量(大腿筋量)の変化を検討した。また、スクロース同時摂取との違いも検討した。マウスにうま味成分を摂取させるとスクロース嗜好性を抑制した。うま味成分摂取マウスでは自発運動を行う回数やぶら下がり筋持久力が上昇した。この結果から、うま味成分による甘味嗜好と運動意欲の向上といった情動制御は存在するのか更に検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、「うま味成分は、2型糖尿病患者における筋肉の発達と甘味嗜好性の抑制および運動意欲を向上させる」のかを明らかとする事で、うま味成分の摂取を行う新たな食事療法を提案し、食事療法と運動療法の両立により糖尿病性サルコペニアの改善を図る事を目指す。令和5年度以降の実施計画としては、ヒトでは行えない組織内の変化や、情動に関わる脳領域の活動変化は実験動物を用いて行い、うま味成分の筋肉-脳に対する作用の分子機構の解明を目指す。更に、2型糖尿病患者を対象として、うま味成分の摂取は、筋発達と運動能・運動意欲(情動)の向上に有効か検討する。2型糖尿病患者を対象とした、うま味成分の検討では、1.うま味成分を摂取後、甘味の検知・認知閾値を全口腔法味覚検査にて検証する。2. 2型糖尿病患者の食事指導後、糖尿病病態が改善された患者において、うま味成分の摂取量と種類を食物摂取頻度法質問票(BDHQ法)により検討する。3. うま味成分摂取群の下腿周囲長、握力、身体機能(6m歩行速度、5回椅子立ち上がり)、四肢骨格筋量の変化を検証する。4. うま味成分の摂取群の運動意欲の変化について、質問票(Marcus, Rakowski, Rossi, 1992)による行動変容プロセス、意思決定バランス、運動時間を検討する。5. 糖尿病改善効果について、空腹時血糖、HbA1c、インスリン抵抗性、摂食調節ホルモン(空腹時・食後のレプチン、アディポネクチン、FGF21)、TG、クレアチニン、ビタミンD、体重、体脂肪、BMI、それら変化について検討する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)