Project/Area Number |
22K10960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58070:Lifelong developmental nursing-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川上 あずさ 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00434960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 洋子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20434962)
眞野 祥子 摂南大学, 看護学部, 教授 (90347625)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 母親 / 自閉スペクトラム症児 / 情緒的巻き込まれ |
Outline of Research at the Start |
障害児の母親の心理的距離には密着型が多いとされるが、その詳細や障害による特性は明らかにされていない。 本研究は、自閉スペクトラム症児の母親の“情緒的巻き込まれ”に着眼することから母親の心理的距離の特性を明らかにする。そして、その詳細から支援方法を構築する。 研究は、まず質的研究方法により母親の情緒的巻き込まれと回復過程を明らかにする。また、情緒的に巻き込まれている母親の状況に看護師が気づくためのチェックリストを作成する。質的研究の結果を基に説明モデルを作成し、介入のポイント、方法を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
先行研究において、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder、DSM-5分類、以下ASD)児のきょうだいは、生活構築において心理的に「つかず離れずの距離感」を体得し児の固有の世界に巻き込まれることを防いでいることを明らかにした(川上、2014)。障害児の母親の心理的距離には密着型が多いとの指摘がある。言葉の遅れやこだわりの強さ、感覚過敏等の特性をもつASD児と共に生活している母親には“情緒的な巻き込まれ”が起こっているのではないかと考える。巻き込まれの長期化は、母親の抑うつ状態への移行も懸念され養育力、家族機能を低下させる。そこで本研究は、1)母親を対象としたグラウンデッド・セオリーアプローチによって、情緒的巻き込まれとその回復過程の詳細を明らかにする。その結果を踏まえて、2)看護師が巻き込まれている自覚のない母親に早期に気付くためのチェックリストを作成する。合わせて3)説明プログラムから支援方法を構築するという計画で研究を進める。 2023年度は、研究1)のASD児の母親への面接調査を実施するために、所属大学の倫理委員会の承認を得て、面接調査を実施した。引き続き育児相談を実施している療育施設やこれまでの研究で関係が築けている親の会に協力を得て、面接調査を進め、質的帰納的分析を並行して進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
母親への半構造化面接調査は、2名のデータ収集分析が終了したのみである。引き続きデータ収集を進める。 研究3)の説明プログラムの作成および支援方法の構築については、これまでの研究により検討が進んでいる、ASD児家族のもつ「生活と存在のまもり」支援のための実践モデルとの関連性や整合性の検討とあわせて進めていけるよう考慮する。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、研究1)の面接調査によるデータ収集と分析に注力する。対象者のリクルートは、育児相談を実施している療育施設(市立子ども総合支援センター)に通園している児の母親を紹介していただく。療育施設の通園は就学までのため、学童期の児の母親については、活動の支援を通じて関係が築けている親の会2団体に協力を得る。 研究2)情緒的に巻き込まれている母親に対して、看護師がその状況に気付くためのチェックリスト作成については、質的研究結果から巻き込まれの状況を抽出し、第3者が客観的に気付くことができるような観察項目を導き出す。学生対象「情緒的巻き込まれ」尺度の「献身的行動」「共鳴的情緒反応」「献身的態度のアピール」等6つの因子も考慮し項目を検討する。 研究3)については、研究1)の結果からカテゴリ間の関連性を確認し要因・誘因、現象、結果を基に説明モデルを作成し介入のポイント、方法を検討する。ASD児家族のもつ「生活と存在のまもり」支援のための実践モデルとの関連性や整合性の検討とあわせて進める。
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