養護教諭の協働力を促進するための研修プログラム開発

• Project/Area Number: 22K10962
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Allocation Type: Multi-year Fund
• Section: 一般
• Review Section: Basic Section 58070:Lifelong developmental nursing-related
• Research Institution: Fukuoka Prefectural University
• Principal Investigator: 梶原 由紀子 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (50512026)
• Project Period (FY): 2022-04-01 – 2025-03-31
• Project Status: Granted (Fiscal Year 2022)
• Budget Amount: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000); Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000); Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000); Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
• Keywords: 養護教諭 / 協働力 / 研修プログラム開発

Outline of Research at the Start

昨今、子供の健康課題は複雑化・多様化しており、感染症対策等の学校保健に関する組織活動の推進を考える上では養護教諭と教職員との情報共有が必須となる一方で、内部組織だけでなく外部組織や保護者との連携も欠かせない。
養護教諭が危機対応を行っていく上で協働力は新任やベテランに関わらず求められるものの、養護教諭の協働力の促進に焦点をあてた研究は見当たらない。そこで、養護教諭の協働力を促進するためのプログラムを開発することを目的とする。
これにより、学校における危機対応を考えていく上での一助となるのではないかと考える。

Outline of Annual Research Achievements

令和4年度は、隣接領域の先行研究等や全国の育成指標より養護教諭に求められている協働力に関する項目の抽出を行った。具体的には、各種文献を取り寄せ先行研究の整理を行い、さらに学会、救急法講習会等での情報収集を行った。また、各都道府県や政令指定都市の教育委員会より策定されている「養護教諭育成指標」を各教育委員会のHPより入手し、テキストマイニングを用いた分析を行った。
「養護教諭育成指標」は、59件の各都道府県や政令指定都市の教育委員会で策定されていた。「養護教諭育成指標」の構成は様々であり、「キャリアステージ区分」、「育成指標の項目」、「能力や身に付けるべき力」などから構成されている57件を分析の対象とした。協働力に関する項目として、「学校保健・健康課題における関係機関との連携」、「地域連携における調整」、「保健管理体制の構築」、「信頼関係の構築」、「コミュニケーション能力」、「組織における課題解決」等の項目を抽出することができた。令和4年度の研究では、全国の養護教諭の育成指標からの分析を行い、養護教諭の「協働力」に関する項目を抽出できた点は、大変意義があったと考える。しかし、分析調査の事前ヒアリングを実施することで、内在する課題を把握し、そのうえで調査票の作成に向かうことで収集されるデータ内容の精度を高めていくことを予定していたが、新型コロナ感染症の影響に伴うヒアリング日程変更等が生じたことや、他の研究との兼ね合いで日程調整が難航したことにより養護教諭へのヒアリングが実施できなかったため、引き続き調整を行いながら研究を実施している。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和4年度の研究計画においては、（１）全国の養護教諭の育成指標や先行研究等から、求められている協働力についての情報収集を行う、（２）近隣校の養護教諭（小・中・高校・特別支援学校）へのヒアリング、（３）課題の明確化の3点を課題としていたが、上記のうち養護教諭へのヒアリングや課題の明確化が未実施である。これは新型コロナ感染症の影響に伴うヒアリング日程の変更等が生じたことや他の研究との兼ね合いで日程調整が難航したことにより養護教諭へのヒアリングが実施できなかったことを踏まえ、当初の計画より遅れていることからやや遅れている進展と評価した。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度の計画で未実施の近隣校の養護教諭へのヒアリングと課題の明確化を行っていく。抽出した課題を踏まえ質問紙を作成し、全国8ブロックからの調査実施校1,500校を選定し調査を実施する。分析から、養護教諭が教職員と連携するために日常から行っていること、学校外の行政、医療、福祉関係機関との連携における課題等についての実態を明らかにする。これを元に、養護教諭の協働力を促進するための具体的な方法について検討し、研修プログラムの構成を行い研修を実施する。最終年度となる令和6年度は、実施した仮説研修についてPDCAサイクルに則り、プログラムの評価と課題の検討を行う。プログラムの評価においては、研修に参加した養護教諭に研修会の内容等について事後評価をしてもらい、そこで得られた評価と課題の検討により、養護教諭の協働力を促進するための研修プログラムを作成しその内容についてまとめ報告する。