Project/Area Number |
22K11021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58070:Lifelong developmental nursing-related
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
杉浦 将人 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (10646475)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 音環境 / 騒音レベル / 新生児集中治療室 / 早産児 / 心拍変動解析 / 騒音 / 環境 / ディベロップメンタルケア |
Outline of Research at the Start |
NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)の音環境は,保育器内の早産児にとってストレスとなっている。継続的に高い騒音レベルにさらされると,難聴,発達障害,出血などのリスクが高まり,NICU退室後の児への長期にわたる影響が懸念される。早産児に対するディベロップメンタルケアは,ストレス反応,成熟度や重症度,覚醒レベルに応じたケアパターンの調整や環境調整が必要である。そこで本研究の目的は,医療者の認識する音環境の様相や変動パターンによる音の特性(強度と周波数)を測定し,その騒音レベルに関する心拍変動との関連性を明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
新生児集中治療室(NICU)における音環境に関する文献検討を行った結果、67件の文献が該当し、騒音レベルはAmerican Academy of Pediatrics(AAP)の推奨値45dB未満を基準として評価されていることが明らかになった。また、低周波騒音による早産児への影響を示唆する文献もあった。騒音対策には、早産児への耳栓、保育器カバーや吸音材、音で作動する光アラーム装置の使用や、スタッフ教育などがあった。適切な音環境の測定と評価、および関連要因との比較検証の必要性が示唆された。これらの結果は国際学会で発表した。 事前調査として行ったインタビュー調査の結果から、医療者が静穏と感じている早産児のケアの場面や状況において、思いがけず騒音が発生したり増大してしまったりして、早産児に影響が及ぶ可能性があることが特定された。これについては看護学の分野における学会で発表するとともに、英文雑誌に論文を投稿中である。 現在は、これらの結果を踏まえ、NICUにおける静穏な時間帯の音環境を評価するため、開放型の個室ごとに「最も騒がしい」「中程度」「最も静か」なエリアを特定し、騒音レベルの測定を行った。また、NICUの音環境と早産児の安静性との関連性を明らかにするため、最終月経後年齢(PMA:Postmenstrual Age)が30週から37週未満の保育器に収容中の早産児を対象に、ベッドサイドのモニターから心拍変動データを収集し、音環境と心拍変動周波数解析指標との関連を評価している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献検討で得た知見を国際学会で発表し、研究方向性の適切性を確認できた。事前のインタビュー調査で、医療者が静穏と感じる場面でも早産児に影響する騒音が発生していることを明らかにし、看護系の学会で発表・英文雑誌に投稿中であり、研究意義を広く示せている。現在、音環境評価のための騒音レベルの測定と、早産児の安静性評価のための心拍変動に関するデータ収集を、対象者の選定基準や測定方法を確立しながら着実に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、NICUの音環境評価のため、開放型個室内の騒音レベルを測定し、早産児の安静性評価のため、PMA30週から37週未満にある保育器収容中の早産児を対象に心拍変動データを収集している。これらの核となる部分は、対象者の選定基準や測定方法を確立しながら着実に進めている。今後は、収集したデータを詳細に解析し、音環境と早産児の安静性との関連性を明らかにする。音環境の評価指標と自律神経系の活動指標との関連を統計的に分析し、早産児の安静性に影響を及ぼす音環境の特徴を明確にし、最適な療養環境の提言につなげる。 これまでの研究進捗は順調であり、得られた知見は国際学会や看護学会で発表し、英文雑誌にも投稿中である。残りの研究期間では、データ収集と解析を徹底し、研究目的の確実な達成を目指す。結果は学会発表や論文化で広く発信し、NICUの音環境管理の重要性を啓発するとともに、早産児ケアの質の向上に直結する知見を臨床現場にフィードバックする。本研究の成果は、NICUの音環境の最適化と早産児の健やかな発育・発達の支援につながることが期待される。綿密な研究計画に沿って着実に研究を進め、新生児医療と看護の発展に寄与したい。
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