バヌアツの子どもの「喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム」の構築
Project/Area Number |
22K11103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
中世古 恵美 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (00513425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 さやか 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (30509617)
中澤 港 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (40251227)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | バヌアツ / 子ども / 喫煙 / 飲酒 / 保健教育プログラム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、これまでにバヌアツでは検討がされてこなかった、未成年からの「喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム」の構築に向けて先行研究で得られた実証的根拠に基づき学術的に取り組むものである。 まず、先行研究で得られた実証的根拠に基づき、喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム案を作成する。次にバヌアツの公立小学校に在籍する6年生の子どもをを非ランダム的に介入群と知識の提供のみを実施する対照群に割り付け、プログラム案による介入を実施し、効果の検証をおこなう。そして介入の検証結果を踏まえ、「喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム」の構築をおこなう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先行研究で実証的に明らかとなったバヌアツの子どもの喫煙・飲酒経験の予測因子を踏まえ、バヌアツの子どもの「喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム」を構築することである。 1.2023年度は、1年目から持ち越しとなった予備調査を実施した。予備調査の目的は、バヌアツの子どもの「喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム」の作成に向けて、子どもとその友人の喫煙・飲酒状況と子どもの喫煙・飲酒に関連する行動、意識、知識の実態について明らかにすることである。 2.バヌアツの公立学校に通う7,8年生(日本の中学1,2年生に該当)を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。190名に質問紙を配付し、子どもとその保護者の両方から同意を得た179名(回答率94.2%;平均年齢13.2歳;男子88名・女子91名)から回答が得られた。 3.179名中喫煙経験者は48名(26.8%)、飲酒経験者は33名)18.4%であった。喫煙・飲酒する友人がいる割合は、喫煙・飲酒の順に同じ学校に通う友人(以下、学友)が63.7%・65.2%、地元の友人(学友は除く)が70.4%・72.5%、友人から喫煙・飲酒の勧誘を受けた割合は、喫煙・飲酒の順に、学友からが5.1%・7.3%、地元の友人からが18.4%・14.5%で、どちらも地元の友人の割合が高くなっていた。今までに同年代の若者の喫煙・飲酒について友人と話し合いをした割合は、喫煙・飲酒共に80%以上であった。 4.「喫煙・飲酒をする若者は素敵に見える」に対し、そう思うと回答した割合は1割程度であったのに対し、「喫煙・飲酒する若者は友人が多い」に対しては、半数以上の子どもが「そう思う」と回答した。大多数の子どもが喫煙・飲酒による健康被害について正しく認識ができていたが、バヌアツの大人、若者の大多数が喫煙・飲酒するに対し、9割近くが「そう思う」と回答した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目に予備調査を行う予定であったが、2023年3月に予備調査のためバヌアツへ渡航した際、予備調査実施日前日に調査地であるバヌアツエファテ島にサイクロンが上陸し、調査対象校がサイクロンの強風などにより校舎が一部損壊するという被害が生じ、学校はそのまま臨時休校となった。学校は校舎損壊やライフラインの寸断などの被害を受け再開のめどが立たなかったため、予備調査は中止となりそのまま帰国することとなった。そのため、研究2年目にあたる2023年8月にバヌアツに再渡航し予備調査を実施した。 本来であれば研究1年目の2022年度に予備調査、2年目の2023年度にはプレテストを実施予定であったが、上記の理由で予備調査が2年目にずれ込んでおり、当初の研究計画よりも約1年遅れで研究が進んでいる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度に行った予備調査の結果を踏まえ、バヌアツの子どもの「喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム」の仮プログラムを作成し、予備調査を実施したバヌアツ国首都の公立校の6年生を対象にプレテストを以下のとおり実施する。 1.研究対象者は、バヌアツ国首都ポートビラ市内の英語系公立小学校に在籍する6年生(11~12歳)約90名(約45名×2クラス)とする。プレテストは、①介入前調査(基本属性、喫煙・飲酒行動、喫煙・飲酒に関する意識、知識、態度についての質問紙調査)②保健教育プログラムによる介入(45分×4コマ)③介入後調査(保健教育プログラムによる介入の効果を評価するための喫煙・飲酒に関する意識、知識、態度についての質問紙調査)の3段階から成る。 2.保健教育プログラムの1~3コマ目のセッションは講義が中心であるが、4コマ目のセッションでは、喫煙・飲酒の断り方についてロールプレイを取り入れる。各セッションのテーマと内容は次のとおりである。①喫煙と健康(タバコに含まれる有害物質と喫煙による健康被害について)②飲酒と健康(飲酒による健康被害について、急性アルコール中毒について)③喫煙・飲酒のきっかけを知る(友人や家族の影響、好奇心、広告の影響など喫煙、飲酒のきっかけについて)④喫煙・飲酒をうまく断る(喫煙・飲酒の誘いをうまく断る方法について、喫煙、飲酒の断り方のロールプレイング) 3.介入前調査と介入後調査のデータ分析、保健教育プログラム参加者の反応や調査校の教員からの反応や意見などを元にプログラムを評価、改善し、2025年度の本調査で実施する保健教育(仮)プログラムを完成させる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)