Project/Area Number |
22K11283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 敗血症性心筋症 / ミトコンドリア機能 / 敗血症 / 親近培養 / 早期リハビリテーション |
Outline of Research at the Start |
世界的にも依然として高い致死率を呈する敗血症について、その重症化のメカニズムとミトコンドリアの機能不全の関与を明らかし、ミトコンドリア機能の保持と回復が敗血症治療に貢献することを証明する。特に敗血症の合併症として、亜急性期に発症する敗血症性心筋障害について、その治療効果を示すことが目的である。 本研究においては共同研究者の開発した正常なミトコンドリア遺伝子D N Aの複製を促進する薬剤M L1ポリアミド(特許5865347)を使用して敗血症マウスおけるミトコンドリア機能の変化を観察することで、未だ明らかになっていない敗血症治療への新たな治療法を世界に提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は敗血症重症患者の心臓合併症による死亡を予防することにある。敗血症においてミトコンドリア機能の障害が根本的な障害部位として示唆されている中で、正常なミトコンドリア遺伝子D N Aの複製を促進する作用を有するタンパク質を導入することで心筋細胞レベルでの再生を目指す。ミトコンドリア機能の障害が前面に現れる敗血症においても、正常なミトコンドリア遺伝子D N Aの複製を促進することは敗血症の根本的な治療となりうると考える。 以下のプロジェクトに沿って研究を進めている。 プロジェクト①:観察研究:筑波大学附属病院で敗血症と診断された患者の心機能評価、プロジェクト②:心筋培養細胞を用いたin vitroデータの解析、プロジェクト③:敗血症モデル動物による分子病態・病理的研究 現在、プロジェクト①について、データ解析まで終了している。さらに、プロジェクト②、③の結果も踏まえて、RCTなどの介入が可能かの検討を行う。プロジェクト②、③についても実験系は確立しており、治療法の検討に苦慮している。この問題を今年度に解決するべく、再度、プロジェクト②、③を見直す方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト①:観察研究:筑波大学附属病院で敗血症と診断された患者の心機能評価 プロジェクト②:心筋培養細胞を用いたin vitroデータの解析 プロジェクト③:敗血症モデル動物による分子病態・病理的研究 プロジェクト①については、後ろ向きに2020年4月1日から2023年3月31日までの3年間でデータを収集した。筑波大学附属病院救急・集中治療科への入院患者は2040例で、重症病棟(ICU・HCU)入院は、756例(37.1%)であった。そのうちDPC病名で敗血症の診断がついたのは、75例(9.9%)であった。その中で敗血症性心筋症の診断の付けられた例は0であったが、左室駆出率(EF)の軽度以上の低下(<55%)を有した症例は15例で、敗血症患者の20%に潜在的な心機能低下を合併している可能性がある。 プロジェクト②については、細胞培養系を確立した。生後2日のラットの心臓を摘出し、collagenaseで分解し、培養に落とした。リポポリサッカライド(LPS)を投与し、コントロールとの比較で、TNF-αの5000倍以上の上昇を細胞内mRNAとタンパク質レベルで確認し、敗血症性心筋症モデルの培養心筋細胞を確定した。今後、治療群を作成し、ミトコンドリア機能測定を中心でデータを出していく。 プロジェクト③については、プロジェクト①②の結果を踏まえて、LPS投与モデルマウスおよびラット系を確立し、検討中であるが、現状、治療モデルの作成に苦慮している段階である。フローサイトメトリーによる評価方法が確立できたため、人への応用も検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクト①:観察研究:筑波大学附属病院で敗血症と診断された患者の心機能評価 プロジェクト②:心筋培養細胞を用いたin vitroデータの解析 プロジェクト③:敗血症モデル動物による分子病態・病理的研究 プロジェクト①については、さらにサブ解析をすすめ、敗血症性心筋症の定義を確定し、当初の計画より進めて、可能であれば前向き研究によるデータ収集を検討する。本年度半ばまでに倫理審査を通すことを目標とし、翌年までの1年間あるいはそれ以上のデータを集めることを目指し、計画を進める。プロジェクト②のデータを用いて、LPS投与ラットモデルを採用して、治療モデルの作成中である。モデルの安定性も考慮し、作成後体温経過などを観察後に有効なモデルを選別することを考える。フローサイトメトリーによる心筋細胞のミトコンドリア機能法も検討中で、動物モデルを用いて有用性を検討する。
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