Project/Area Number |
22K11403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
篠田 陽 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (80403096)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 後根神経節 / メチル水銀 / 感覚神経 / 神経新生 / 痛覚鈍麻 |
Outline of Research at the Start |
神経細胞死を伴う神経障害を負った患者にとって、その症状の回復は原則的に神経細胞は増殖しないこともあり困難がある。近年申請者はMeHgを投与したラットDRGにおいて神経細胞死に続く神経新生を伴う感覚障害の回復を見出した。本研究ではDRGにおける神経新生を詳細に調査しかつそのメカニズムを明らかにする。これまでDRGにおける障害誘発性神経新生については賛否両論あり、未だ確定的でない。本研究でDRGにおける神経新生の実態とそのメカニズムが明らかになることで、神経新生研究の大きなパラダイムシフトになると同時に、DRG神経細胞死を伴う感覚神経障害を持つ患者にとって、その治療の可能性を拓くものと期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
[本研究の目的] 後根神経節(DRG)において成体神経新生が起こるかどうかについては賛否両論が存在し、未だに不明な点が多い。DRGにおいて神経新生が起こるとすれば、そのメカニズム解明はDRG神経脱落に由来する後根神経節炎といった難治性疾病の治療に道を拓く。本研究では、メチル水銀(MeHg)を投与したラットDRGにおいて観察された一過性の神経細胞数減少とその後の神経細胞数回復という観察結果を元としており、DRGにおける神経新生が本当に起こるのかどうかを明らかにし、これが起こる場合その神経新生の神経科学的・生物学的基盤を明らかにすることを目的とする。
[研究成果の具体的内容] 前年度まで、BrdU陽性の神経細胞を同定することができなかった。これはBrdUの投与期間および動物の灌流固定までの期間が短かったためと考えられたため、投与期間および固定までの期間を十分に取ったサンプルを作成を完了した。現在同サンプルについて観察を続けている。DRGにおける未成熟ニューロンマーカーとしてneurogenin2での染色も試みたが、これまでに良好な染色像を得られていない。一方、形態学的に神経細胞と思われる細胞が、一部成熟ニューロンマーカーであるNeuNに陽性とならない事実を発見した。形態学的に神経細胞と考えられる細胞数をMeHg投与群および未投与群について経時的に計数したところ、単位面積あたりの神経細胞数としては変動していないことが明らかとなった。これは本研究の出発点である神経細胞数の一過的減少とそれに引き続く神経細胞数の増加というこれまでの観察結果の根幹に関わる問題であるため、現在これについて精査を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までにBrdU陽性の神経細胞が観察できなかった状況を踏まえ、投与期間および投与後固定までの期間を神経細胞の分化および成熟に十分な時間を確保したサンプル作成を行い、現在その解析を進めている。また、神経新生の細胞系譜を明らかにするためのアデノ随伴ウイルス(AAV-mGFAP-CreおよびAAV-CBh-FLEX-EGFP)の作製を完了し、現在これをラットDRGに正確に感染させる手法を確立中である。一方、形態学的な神経細胞の一部が成熟ニューロンマーカーであるNeuN陰性になることを発見したため、形態学的に神経細胞であると認められる細胞を、MeHg投与開始後複数の時点におけるサンプルについて計数したところ、単位面積あたりの神経細胞数はいずれの時点においても変動していないことを明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
形態学的な神経細胞総数が変動していない可能性が示唆されたため、これが神経細胞死が起こっていないためにそのように観察されるのか、それとも神経細胞死と神経新生が動的平衡を保っているためにエンドポイントでのみかけの神経細胞数に変化が見られないのかについて明らかにする目的で、抗active caspase-3抗体やTUNEL染色法他種々細胞死アッセイにより、MeHg投与ラットDRGにおいて神経細胞死が起こっているかどうかについて明らかにする。また、作製したAAVウイルスを用いた感染実験を行い、神経新生の細胞系譜について明らかにする。
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