Project/Area Number |
22K11431
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
長田 卓也 東京医科大学, 医学部, 講師 (60297281)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 竜一 東京医科大学, 医学部, 臨床講師 (20384951)
伊藤 正裕 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (00232471)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
|
Keywords | 下肢切断 / 運動耐容能 / 運動療法 / 下肢運動 / 切断肢 |
Outline of Research at the Start |
低体力層下腿切断者において、膝伸展などの下肢運動や自転車と上肢クランキング運動を併用した全身運動における下肢血流や心拍出量との関連性を検証し、切断者の最適な運動モデルや運動強度の探索、加えて切断肢の筋力訓練により全身性の体力に与える効果の有無について検討することを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
急性期治療にともない片脚下肢切断した対象者において義足使用を見据えた下肢筋力強化・関節可動域向上、日常生活動作訓練そして下肢切断後の低体力・廃用症候群を防ぐための有酸素運動の必要性を検証することが本研究の目的である。切断肢単脚運動や義足使用での両脚全身運動中の骨格筋循環・代謝や有酸素能力について評価することで至適な運動強度や生活活動等の運動指導への運動処方を提供できるものと考えている。本年度では、下腿切断者において脚運動機器を用いて下肢筋力を強度に運動頻度や運動時間の変化による下肢血流動態・心拍数・血圧・心拍出量・各関節可動域 及び活動肢筋酸素飽和度の評価を予定していたが、急性期治療を主とする大学病院では下肢切断者の早期退院、そして回復期・生活維持期への回帰を目指していることもあり、研究ベースを視野に入れた対象者数の確保が難し状況であった。対象者の年齢、既往症や生活習慣病内服等を考慮した障害像の均一した集団を対象とすることが現実的に難しいため、それぞれ個別の下肢切断肢の運動療法の効果特性を検証することを中心に進めることとなった。2022年度で評価計測を行った50歳男性悪性腫瘍による左骨盤半切除(股関節離断相当)対象者の股義足を使用した自転車エルゴメータ最高心肺負荷試験の結果は、義足肢による他動的ペダリングを加えた2脚クランキングの効果は運動耐容能や運動継続時間に有用であることを論文として報告することができた。 下肢切断者の運動療法に関する知見等の情報を得るために、第60回日本リハビリテーション医学会総会に参加し、今後は上記結果の症例報告を視野に進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象者の多様性(年齢、性差、体力レベルや重複障害の程度)により均一な対象者を選定することが容易でないことがあげられる。しかしながら、下肢切断者個々人における運動に伴う循環や筋生理学的特性を検証することで、下肢切断者の運動処方への構築の一旦を担うことが示唆される。2022年度で評価計測を行った50歳男性悪性腫瘍による左骨盤半切除(股関節離断相当)対象者の①股義足装着で義肢のペダリングあり、②股義足装着で義肢のペダリングなし、③股義足装着なしのそれぞれ3条件での自転車最高運動負荷試験の結果は、①の状態が最も運動時間が長く、加えて運動耐容能は高い結果であった。1名のみのデータではあるが、先行研究で報告されていない義足肢使用の2脚自転車運動プロトコールの極めて重要な知見であると考えている。加えて、この対象者の39日間(2022年11月~2023年3月における)の股義足肢使用での2脚自転車運動療法の循環動態(心拍数、血圧、ペダル回転数、自己誘導での負荷量)及び片脚立位の重心動揺テスト((非切断肢片脚立位及び数回の両脚<股義足装着>))を解析中である。その他、59歳男性糖尿病性下肢壊疽による右下腿切断者において切断術後1週目から各日の運動療法前後における非切断肢片脚立位重心動揺検査を実施し切断術後から退院するまでの1か月間経時的な変化(計15回)を計測し、現在両者の計測値解析評価中である。53歳男性、糖尿病性壊疽左下腿切断者の片脚立位重心動揺検査(非切断肢片脚立位遂行時間帯内の重心動揺の変動)、非切断肢への荷重負荷(0・0.5・1.0・1.5・2.0kg切断端へ設置)における①自由頻度と②速い頻度における日膝関節可動域の違い、及び5種類の荷重負荷において4条件の膝伸展頻度(40、50、60と80回/分)における膝伸展中の大腿動脈血流量(超音波ドプラー法)の比較を行い現在解析中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では下腿切断者の全身及び局所下肢運動時における循環調節の検証を目的しており、この目的を達成するために股関節離断や大腿切断者等の対象者に対してもアプローチしていく予定である。下肢切断者個々人における運動に伴う循環や筋生理学的特性を検証することで、均一な集団の対象者でなく、個々の病態、既往歴、生活習慣病を考慮した症例提示の研究も積極的にすすめていく。また、義足装着下でのエルゴメータ運動療法中の呼吸循環や義足肢の関節可動域についても評価を行っていく予定である。
|