Development of robotic musculoskeletal walking simulator for analysis of human walking
Project/Area Number |
22K11448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 伸朗 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60346814)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | バイオメカニズム / 歩行 / ロボット / 筋骨格 / 歩行ロボット / シミュレータ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,ロッカーファンクションにより構築した実歩行可能な筋骨格型ロボット歩行シミュレータを実現することである.ロボット研究が主とした目的ではなく,ヒト歩行に関するバイオメカニクス研究を行なうことを目的とする.そして本研究では特に実機による物理シミュレータを用いている.本申請では,よりヒト歩行の核心に迫る筋骨格型ロボット歩行シミュレータを追求し,ロボット物理モデルによる実歩行で検証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はロッカーファンクションと下肢筋骨格構成による構造知の連携を,人工物のみによって構成された物理モデルにより再現することである.機械やロボットは設計通りにしか動かないため,ごまかしが利かない.一方,実機の故障による動きから新たな発想を得ることも多く,物理モデルで得られる経験は大きい.現状二次元歩行であるが,本年度は,生体筋に追従しうる高速高出力アクチュエータの実機モデルを製作し.これを筋部位毎にカスタマイズした新機体を実現した.採用したのはブラシ付DCモータであるが,ブラシレス系と比較し瞬間最大出力(30秒出力)が、定格の5倍程度見込め、1ユニットあたり0.5馬力程度である.生体筋は分子モータであり高性能であるが、その機能を発揮するアクチュエータモジュールは現在になって初めて現実的なコストで構成可能となったと考えている.そしてバックドライブ可能な減速機により本ユニットは,力覚を持つユニットであるため,実際に作用する筋力が観察可能である.このように力という視覚では直接観察できない要素を計測できるのはロボット化ならではの要素と考えられる。さらにこれまでの機体では装備に至っていなかった,前足部に関連した立脚後期動作の構築のために、フォアフットロッカーからトウロッカーにかけての動きを再現すべく,前脛骨筋を能動駆動する構成を実現した.これにより下腿前後筋を高速にスイッチングすることで、各ロッカー相の機能とともに、特に遊脚時に地面数ミリの位置を足部が姿勢を並行に保ちながら移動することが可能となると考えられる.重たい脚部を上へ持ち上げない方が効率が良いためであり,ヒト歩行は遊脚時に数ミリ程度であるため、ヒト歩行のシミュレートへ向けた重要な取組みの一つであると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,これまでの市販アクチュエータモジュールから自作のアクチュエータモジュールにより,1モジュールアタリ0.5馬力程度の30秒瞬間出力を持つモータユニットの実機モデルの開発を行った.まず軽量化が求められるため、安定した剛性からスーパーエンプラであるPPSをケースとして0.5mm単位まで寸法を追い込んだ設計を行った.また減速機の歯車についても,専用設計を行い,コンパクト化を行った.これらの部品の加工は,歯車そのものの加工についても自研究室の市販品を自前で改良した加工機により精密切削加工を行う事で、短期間で片脚あたり5個、あわせて10個のアクチュエータモジュールを実現した.これにより,力制御可能なバックドライブを有する0.5馬力のアクチュエータユニットを150gで実現出来た。生体は人工物と比べて、材料やエネルギ変換原理が異なり、生体を人工物で実現しようとする場合、この違いから、人工物に置換えるときには見極めが必要であるが、本研究は生体をシミュレートする事が目的であるため、専用の設計が必要となる.特にフォアフットロッカー時には腰部高さを維持するために片脚足関節で体全体を持ち上げる必要があり、今回のアクチュエータ開発により、シミュレートの幅が大きく広がることが期待される.さらに前脛骨筋は歩行相内で短時間にON-OFFのスイッチングを行うため、高速性が求められるが,本アクチュエータはそれらに追従可能な高いレスポンス(0.1s/180度以上)を持っている.生体を人工物で実現すると言うことは生体がどのような特性を持っているかを知る事と同義である.なお,本研究での高機能アクチュエータは生体運動を実現可能な軽量高出力である事に絞って専用設計したものであり,高機能の説明はこの点を指すことを追記する.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は特に新型の高性能アクチュエータを開発し、それを用いた新型機の開発を行った.これまでの機体と比較しモータユニットは軽量化したものの、ヒト歩行のサイクルタイムの共振には相応の慣性質量が求められることもあり,可動部は軽量化したものの腰部にはおもりを付加している.2023年度はこのアクチュエータ開発により,特にフォアフットロッカー時に機体全体を足関節で前足部の指示のみで持ち上げるという動作の実現を行った.当初の予定では,歩行開始時に、立位からそのまま脚を前に出す点で、歩行開始と定常歩行を区別して考えてきたが,歩行開始された後はすぐに2~3歩目で定常歩行になるため,歩行開始だけできれば良いのではなく,一体として考える必要性があると考えているところである.そして,おおよそ共振により歩行していると考えられるが,歩幅を増減させるのが意外に難しいことも分かってきた.また,有る問題を解決するためにはココを変更すれば良いというものではなく,常に全体を変更するため,解析と指令値作成のサイクルが次第に長くなってきている.一方物理シミュレータ故,故障が予想しなかった新たな動作生成に繋がることもあり,この点は物理シュミレータならではの要素であると考えている.常に床面との摩擦や各部位の変形,駆動ケーブルの自然伸びなどが重なり常に調整を繰り返しているが,1日に10回程度試行できるのは,数値計算が速くなった今日においても,物理シミュレータの存在意義は低くはないと考えている.2022年度に導入した前脛骨筋はフォアフットロッカー時に腓腹筋作用を拮抗で阻害しない目的があったが,さらに同じく拮抗するヒラメ筋を積極的に活用可能となったこともあり,膝折れを防止の目的でヒラメ筋を有効活用した歩行を実現する計画である.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)