Project/Area Number |
22K11490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
布目 寛幸 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10270993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 良太 大阪物療大学, 保健医療学部, 助教 (10914012)
小松 泰喜 日本大学, スポーツ科学部, 教授 (80436451)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 身体部分慣性特性 / MRI / segment property / Japanese adults |
Outline of Research at the Start |
本研究は、未だに権威ある国際学術誌に原著論文(英文)として公表されていないために研究上の大きな障壁となっている日本人の正確な身体部分慣性特性を明らかとすることでバイオメカニクス領域における研究の精度を飛躍的に改善することが強く期待される独創的な基礎研究である。 利用可能な研究手法の中で、最も正確であると考えられる核磁気共鳴画像法(MRI)を大規模対象者群へ適用し、日本人の正確な身体部分慣性特性の標準データ確立する。加えて、この身体部分慣性特性モデルが歩行の動力学解析に与える影響を既存のデータによる動力学計算結果と比較することで明らかとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、取得ずみのMRIスライス画像から実際に身体部分慣性特性パラメータを算出する分析手法を確立することを目指した。 MRIの撮像に際し我々は脂肪と筋との視覚的な分離が容易なT2モードを採用し、各スライスの厚みが12㎜となる全身のMRIスライス画像を43名の対象者に対して取得した。これを分析するソフトウェアを選定する作業を行い、数あるソフトの中より「MATLAB」を選定し、MATLAB内にDICOM形式のMRIスライス画像データを読む込み、MATLAB内のアプリケーションである「ボリュームの領域分割」によって脂肪、筋、皮質骨、海綿骨、肺、脳をセグメント化、これらを再びMATLABで読む込むことができるファイル形式によって出力することができた。 次に身体モデルの定義に取り組んだ。先行研究では体幹上部を10番目肋骨を境に分割するモデルが示されているが(Dumas, et al., 2017)、実際のMRIスライス画像からこの部位を正確に特定することが難しいこと、動作解析においてこの部位にマーカーを貼付する場合、スポーツ動作などでは大きく振動してしまうこと、これまでのモデルでは考慮されていない肺がこのモデルでは上下に2分割されていまうなどの問題が生じた。そのため、体幹を骨盤と体幹上部で2分割するモデルを採用することとした。この結果、全身を15のセグメントに分割するモデル(頭頚部、体幹上部、骨盤、左右の上腕、前腕、手部、大腿部、下腿部、足部)を採用した。さらに、各セグメントの切断面の区切り方は(Sado et al. 2023)の手法を採用し、「関節中心を通る断面で軟組織は切るものの、連続する骨格を切断せずにそのままセグメントに加える」という対応をした。本年度はこれらの一連の身体慣性パラメータの算出するための分析手法を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRIの撮像に際しては、脂肪と筋との視覚的な分離が容易なT2モードを採用し、脂肪と筋とを明確に識別することが可能となったものの、このモードでは海綿骨と皮質骨との区別が極めて難しく、識別可能ではあるものの、分析に多くの時間を要することが明らかとなった。 また、撮影時に対象者には通常の安静状態を維持してもらい、特別な教示は与えなかった。しかしながら、この状態では対象者の自然な呼吸に合わせて特に胸郭部の骨が動いてしまう現象が起きた。元々、胸郭部のMRI撮像自体がやや難しいことも相まってMRIスライス画像からの胸郭部の再構築にも多大な時間を要する様になってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現状における研究の遅れを解消するために、以下の2つの点のついてMRI撮像方法とその手順に改良を加えることを計画している。 ①撮像方法の改善:従来まで採用していたT2により撮像方法のモードを変更することを計画している。具体的な完全の背策としては(Sado et al. 2023)が採用している水/脂肪信号相殺法(Dixon法)を試みる。この方法は、撮像されたIn phaseとOpposed phase画像から、Water画像(脂肪抑制画像)とFat画像(水抑制画像)を計算で作成する撮像法であり、磁場不均一の影響を受け易い部位(頸部、頸椎、胸椎、四肢等)で有効な撮像法とされているものである。これによりMRIスライス画像にかかる分析時間を大きく短縮できることが期待できる。一方、デメリットとしては、T2モードに比べて撮像時間の延長があるが、本研究に使用するMRI装置に関してはその延長は10分ほどであると予想されるため、対象者への深刻な負担増とはならないと考えられる。 ②撮像ルーティーン改善:従来では自然呼吸によって生じる肋骨の動きがMRIスライス画像を不明瞭にするため、特に胸郭部の骨格を再構築する際の問題となっていた。この点を撮像ルーティーンから改善すべく、対象者に胸郭部の撮像時のみ、できる範囲で息こらえをしてもらうことを計画している。息こらえの時間は20秒ほどであると考えている。 令和6年度は、以上の2つの改善によって研究の遅れを取り戻すことを計画している。
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