Project/Area Number |
22K11510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 悦史 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (30757670)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | プロスポーツ / 共通価値の創造 / ビジネス化戦略 / ローカル化戦略 / ジレンマ / スポーツマーケティング / スポーツガバナンス / パートナーシップ / マーケティング・ジレンマ |
Outline of Research at the Start |
近年のプロスポーツでは、経済価値と社会価値を同時追求する「Creating Shared Value(CSV:共通価値の創造)」という考え方が重要視されているが、このような発想をクラブ経営に効果的に導入していくための具体的方策は確立されていない。本研究では、1)ビジネス化戦略とローカル化戦略をめぐるジレンマの発生メカニズム解明、2)CSV先進型クラブの事例分析といった作業を通じて、プロスポーツにおけるCSV経営の普及促進に必要な科学的知見の獲得が目指されている。CSV経営がより多くのプロスポーツクラブに普及することで、スポーツの成長産業化やまちづくりへの貢献といった社会的波及効果が見込まれる。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年のプロスポーツでは、経済価値と社会価値を同時追求する"Creating Shared Value(CSV:共通価値の創造)"という考え方が重要視されているが、このような発想をクラブ経営に効果的に導入していくための具体的方策は確立されていない。本研究では、1)ビジネス化戦略とローカル化戦略をめぐるジレンマの発生メカニズム解明、2)CSV先進型クラブの事例分析といった作業を通じて、プロスポーツにおけるCSV経営の普及促進に必要な科学的知見を獲得することが目指されている。 2022年度は、上記1)および2)の作業に関して、Jリーグに加盟するプロサッカークラブ等に関する複数のケーススタディを実行し、それぞれのクラブにおけるビジネス化戦略(自立的・効率的なクラブ経営を可能にするための取組)とローカル化戦略(向社会的行動を通じた地域社会への浸透・定着を目指す取組)の実践状況、さらには、ステークホルダーとの関係性や組織構造・文化などに生じた変化の実態などに関する調査・分析を行った。 2023年度は、上記1)の分析結果を広く社会に公表していくと同時に、2)に関わる事例分析をプロスポーツクラブ側の視点だけではなく、これらを取り巻くステークホルダー側(例えば、スポンサー企業やファン)の動きに注目する形で、新たな知見を獲得することに注力した。とりわけ、プロスポーツクラブとスポンサー企業のパートナーシップ形成・強化要因に関する質的分析の結果、両組織のパートナーシップが形成・強化されていく過程では、①パートナー企業における資源動員の創造的正当化、②クラブに対する共感の醸成といった要因が重要な役割を果たしていたことが示唆された。また、他競技(プロ野球独立リーグなど)のプロスポーツ観戦者を対象とした調査・分析も実行し、その成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文の公開までに一定の時間がかかってしまったものの、当初予定していたプロスポーツクラブのケーススタディはおおむね計画通りに実施することができた。これらの調査・分析の結果に関しては、論文投稿や書籍(共著)の出版といった形で公表することができたほか、次年度中の論文掲載に向けた準備も進んでいる状況にある。また、研究協力者やプロスポーツ経営に関わる現場当事者との関係深化という側面においても一定の成果を得られており、インターネット上に公開された論文は、調査協力を受けたクラブの公式ホームページや公式SNSでも公表され、そのファンやスポンサー関係者にも広く読まれることとなった。また、その他のクラブとの間にも、次年度以降の研究をさらに発展させていくための素地を築くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、前年度までに実施した2)CSV先進型クラブの事例分析(クラブ関係者などに対するインタビュー調査やクラブ主催イベントなどにおける参与観察など)をさらに発展させる形で、ビジネス化戦略とローカル化戦略をめぐるジレンマを創造的に乗り越えるための具体的な方策を明らかにしていきたいと考えている。それと同時に、プロスポーツクラブが生み出す経済価値および社会価値の測定方法をめぐる考察を実行し、これらを広く公表・実装していくことにも取り組んでいく。
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