Project/Area Number |
22K11581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
岩崎 也生子 杏林大学, 保健学部, 教授 (00515827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 憲 杏林大学, 保健学部, 准教授 (00531485)
丹羽 正利 杏林大学, 保健学部, 教授 (90274985)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 小児期 / 肥満 / 大脳皮質運動野 / 発達 / 子ども / 発達遅延 |
Outline of Research at the Start |
小児期肥満は脳の発達を妨げ,脳の構造的変化を誘発し,認知機能を生じる事が示されている。肥満は運動機能へも影響するが, その機構は明らかでない。我々は,8週齢(小児期)の肥満型ZFDM(fa/fa)ラットの前肢運動野が,正常型ZFDM(fa/+)ラットよりも小さく運動野の発達遅延が生じていることを示した。このことから,肥満による脳の構造的変化が発達を妨げ,運動機能低下を引き起こしているのではないかと考えた。本研究では, 肥満が小児の運動系・運動機能の発達に与える影響を明らかにした上で,肥満による脳の発達障害(運動系)を改善する運動プログラムを開発しようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
幼若期の肥満が大脳皮質運動野前肢領域の発達と運動に与える影響を明らかにすることを目的に行った。実験は, 6週齢と8週齢のZFDMラット(fa/fa;肥満群n=6)と(fa/+;対象群n=6)を用いて行った.本研究では, 生後8週齢の肥満状態および糖尿病予備群において, 大脳皮質運動野の前肢領域における身体部位の表現を調べた.また, 前肢運動機能の評価には, 握力測定と巧緻運動を伴うリーチ運動を行った.リーチ運動は, 1週間ごとに握力とエサへのリーチ課題時の前肢の動きを測定し, リーチ成功率および, 11の構成要素と35のサブカテゴリからなるReaching movement rating scoreを用いた量的評価を実施した.組織学的指標として, 手関節背屈筋の横断切片から筋線維の短径を測定した.さらに, 腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT)を6週齢と8週齢で行い, 耐糖能を評価した. 8週齢では肥満群が対象群より体重が重く(P<0.001), 空腹時血糖値は両者とも125mg/dl以下であったが, 8週齢のIPGTT後2時間の血糖値は肥満群の方が高い値を示した(P<0.001).皮質運動野の前肢面積は, 6週齢では両群間に差はなかったが(P=0.994), 8週齢では肥満群の方が非肥満群より小さかった(P=0.023).握力は生後5週では肥満群の方が強かったが, 生後6週以降は非肥満群の握力が逆転し, 8週では肥満群より強くなった(P<0.0001).リーチ動作の成功率は, 非肥満群が週齢を重ねるごとに上達していくのに対して, 肥満群では7週齢以降成長が停滞し8週齢では対象群に対し有意に低い結果となった(p<0.001).到達運動スコアでは合計得点および回外運動得点が肥満群の8週齢で低い得点となった(P<0.05).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目には、コントロール群となる、Wistarラットにおけるラットの大脳皮質運動野の発達による変化及びリーチ運動の発達に伴う変化を解明することができた。2年目には、肥満対象動物である6週齢及び8週齢のZFDMラット(fa/fa、肥満群)及び(fa/+、非肥満群)における、大脳皮質運動野の肥満による変化を解析できた。 また、肥満がリーチ運動に及ぼす影響についても解析し、結果を出すことができた。 次年度は計画通り、運動療法による効果を検証していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、肥満対象動物である6週齢及び8週齢のZFDMラット(fa/fa、肥満群)及び(fa/+、非肥満群)における、大脳皮質運動野の肥満による変化及び、肥満が巧緻動作(リーチ運動)に及ぼす影響についても解析し、肥満群による有意な低下を示すことが明らかとなった。 今後は、6週齢及び8週齢のZFDMラット(fa/fa、肥満群n=6)に対して、有酸素運動及びスキルトレーニングを実施し、運動が大脳皮質運動野の発達及び、巧緻運動(リーチ動作)にどのような変化をもたらすのか、解析していく予定である。運動療法としては、トレッドミル及びリーチトレーニングを実施する。 電気生理学的指標として、大脳皮質運動野の身体部位再現、前肢背屈筋及び前脛骨筋のMEPS、末梢神経の神経伝導速度を用いる。形態学的指標としては、前肢背屈筋及び前脛骨筋の筋の短径及び筋湿重量、肥満の指標として、精巣周囲脂肪の短径及び湿重量を用いる予定である。
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