Project/Area Number |
22K11610
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
安部 孝 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 客員教授 (90184217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染谷 由希 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (10597090)
町田 修一 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (40421226)
鈴木 宏哉 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (60412376)
内藤 久士 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (70188861)
河村 剛光 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70365568)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 握力 / 健康寿命 / スポーツ |
Outline of Research at the Start |
握力は、罹患率や死亡率を予測する高度な生体マーカーである。この握力を使った病気の予測に留まらず、病気の積極的な予防対策を講じるためには、生体マーカーである握力と罹患率・死亡率との関連性に関する機序を解明する必要がある。しかし、握力がもつ予測能力の機序は、現在でも解明されていない。身体活動による握力や疾病予防への影響は、多くの研究で議論されている有力な機序のひとつであるが、その影響を直接的に解明するための疫学的な研究アプローチはみられない。本研究では、順天堂大学が所有するデータベースを用いることで、握力に対する成長期のスポーツ活動の影響と病気の発症率やメンタルヘルスへの影響について調査する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に実施したJ-Fit Plus Studyデータベースの分析結果では、発育期に実施するスポーツ種目の違いが大学入学時の握力に影響していることが示され、プレー中にスポーツ用具を使用する種目の選手では、そうでない種目の選手よりも高い握力を示すことが明らかとなった。そこで2023年度は、発育期に実施するスポーツ種目の影響を確認するために、小学校低学年から中学校までのスポーツ少年(サッカーと剣道)の握力を比較した。その結果、小学校低学年ではサッカー少年と剣道少年の握力に差は認められなかったが、その後の年齢では徐々に剣道少年の握力が高値を示した。分析の結果、両群に統計上の有意差が現れる年齢は8.5歳であることが明らかとなった。幼児を対象にした別の追跡調査でも、握力の変化は運動遊びの違い(粗大運動と微細運動)による差は認められず、握力に対する幼児期から児童期前半における運動タイプの影響は比較的低い可能性が示唆された。一方、大学入学時に高い握力を示したスポーツ種目の選手がその後の成人期にどのような変化を示すのかについても追跡調査を実施した。その結果、大学を卒業して20年以内の20歳代・30歳代の卒業生では、握力は大学時代よりも高い値を示したのに対し、40歳代では大学時代と同レベルの値、50歳以上の卒業生では大学時代よりも低値を示すことが確認された。次にプレー中にスポーツ用具を使用する種目とそうでない種目の死亡率について調査した。その結果、スポーツ用具を使用する種目の方が死亡率は低い傾向にあった。しかし、サンプル全体の年齢は依然として若く、追跡調査を継続する必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スポーツ種目の違いが発育期および成人期の握力に及ぼす影響について貴重な研究成果を得ることができた。今後は、スポーツ活動によって向上した握力が罹患率と死亡率に与える影響の機序について探求する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
スポーツ活動によって向上した握力が罹患率と死亡率に与える影響の機序を明らかにする一助として、2024年度は文献研究を実施して機序に関連する因子(炎症マーカー、糖代謝マーカー)と握力との関連性に関する系統的レビューとメタ分析を実施する。一方、J-Fit Plus Studyに登録されている卒業生を対象にアンケート調査を実施して、スポーツタイプの異なる集団における生活習慣や罹患率に関する情報を取得する。また、追跡調査を実施することで、発育期のスポーツ選手の握力に対するスポーツ種目の影響についても検討する。
|