琉球王国時代における文書・ビジュアル史料からの禁武政策と空手道史の再検討
Project/Area Number |
22K11652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 空手道 / 琉球 / 琉球王国 / スポーツ / 武道 / 歴史 / 禁武政策 / 沖縄 / 武道史 / 空手道史 / スポーツ史 / スポーツ科学 / 日本学 |
Outline of Research at the Start |
空手道は沖縄から20世紀初期に本土に渡ったが,それ以前の歴史には伝聞や推測が多く,その検証は容易ではない。特に今日まで唱えられる空手道の創造・発展に関する通説の信憑性は疑わしい。要するに琉球王国時代には尚真王による武器廃止があり,また1609年に侵攻してきた薩摩藩は武器を禁止し取り上げたので,空手道が創造され,あるいはその発達が促進されたとするものである。申請者もこの通説に相反する史料をいくつかを見出してきた。本研究では,新たな文書・ビジュアル史料の発掘によって当時の王国内には武器や空手道の祖形を含む幾多の武術が存在したことを証明できれば,今までの通説が見直される可能性につながるものと考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
琉球王国時代における文書・ビジュアル史料からの禁武政策と空手道史の再検討を課題とした本研究は,琉球王国時代に書かれた文書史料には,武器や武術に関する新たな記述発見がないか,また同時代に描かれたビジュアル史料には,武器および武術が描かれていないか,あるいは琉球人と武器,または武術の様子が描かれているかどうかを調査・検討するものである.令和4年の夏に予定していた沖縄での史料調査は現地のコロナウイルス患者の増加で断念し、沖縄現地での第一次文書・ビジュアル史料調査を半年遅れて,令和5年2月から3月にかけて開始した.具体的には,この研究について琉球大学の琉球アジア文化科学教授および沖縄県立芸術大学・附属研究所琉球文化・歴史の名誉教授・准教授の琉球史・文化専門の研究者や博物館等の歴史資料整理員などと数回に渡り議論を交わし,琉球王国全般や沖縄における琉球王国時代(1429-1879年)に布かれたとされる「禁武政策」の歴史やその背景について知識を深めた.その際,主に琉球王国時代の文書およびビジュアル史料に関する第一次史料・第二次資料紹介があり,その資料についての解説も受けた.加えて,沖縄県立博物館・美術館および那覇市歴史博物館に所蔵されている屏風や絵などの第一次史料を調査し,沖縄県立芸術大学にある文献や資料も調べた.さらに,沖縄県立図書館での文献史料調査も実施した.また,令和4年度中,研究テーマに関連する特に新刊の書籍や論文の把握に努め,これらの第二次資料を収集した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,上記に述べたように,新型コロナウイルス感染症の影響で,沖縄での現地調査の開始を予定していた令和4年の夏に,沖縄で新型コロナウイルス患者が増加し,現地に行けなかったため,実態調査のスタートが遅くなり,そのためやや遅れている. このような状況にもかかわらず,令和5年2月から3月にかけてようやく開始できた現地での実態調査は順調に運び,沖縄本島での主な博物館や資料館などの関連資料は把握できたと思う.また,この研究に欠かせない琉球史全般や特に琉球王国時代の歴史や文化に精通する琉球大学および沖縄県立芸術大学・附属研究所の専門家の意見やアドバイスも得られた. 今回調査した史料や第二次資料を踏まえ,また得られた新しい知識に基づき,これからの研究,いわゆるその調査・検討に活かす.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に得られた結果を基にして,令和5年度には,研究計画を調整しながら,沖縄本島,宮古島,石垣島での博物館・資料館などの現地調査を継続したいと考えている. 具体的に,令和5年度には,令和4年度に引き続き,まず研究実施設備の整備を行い,それとともに,琉球大学や沖縄県立芸術大学などの琉球史専門の先生方のアドバイスを受けながら,沖縄本島の那覇市県立博物館・美術館,那覇市歴史博物館,琉球大学博物館(風樹館),沖縄県立芸術大学附属図書芸術資料館,沖縄県立図書館,沖縄県公文書館,伊是名村ふれあい民族館,今帰仁村歴史文化センター,名護博物館などで主にビジュアル史料があるかを調査する. さらに,令和4年度に,新型コロナウイルス感染症の影響で行けなかった宮古島の宮古島市総合博物館なども調査し,記録リストやそれらの文書・ビジュアル史料の分析に当たる. 令和5年度の終わりに,ここまでの文献資料収集および研究経過を見て,研究計画の修正を行う.さらにスポーツ史学会,国際スポーツ史学会での発表を準備にとりかかる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)