Project/Area Number |
22K11718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
石原 知明 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (90724013)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 老化 / 脂質 / 脂質代謝酵素 / オートファジー / 細胞老化 / リピドミクス / 老化関連疾患 / 代謝異常 |
Outline of Research at the Start |
加齢とともに様々な代謝機能が低下することが知られているが、どのような代謝物が変動し、その変動が個体の老化や加齢関連疾患の発症においてどのような影響を与えるかについては十分に明らかになっていない。本研究では脂質代謝系に着目し、まず加齢に伴う脂質代謝変化を包括的に解析し、その脂質代謝変化のキーとなる代謝酵素を同定する。さらに同定した酵素の遺伝子を改変することにより、脂質代謝変化と加齢関連表現型との因果関係を明らかにすることを目指す。本研究により、老化と脂質代謝変動の関係の全体像が明らかになるとともに、新しい老化制御法の確立、ひいては健康寿命延長の実現につながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
生体に存在する多様な脂質分子種の質的・量的な制御は、生体恒常性の維持に重要な役割を果たしている。加齢に伴い脂質代謝が変化することが知られているが、どのような脂質分子種に変動が見られるのか、そしてその変動が個体の老化や加齢関連疾患の発症においてどのような影響を与えるかについては十分に明らかになっていない。本研究では、老化および老化関連疾患に関わる脂質代謝系の変化とその役割について分子レベルで明らかにすることを目指す。
昨年度は、老化に伴う脂質プロファイルの変動を網羅的に解析した。変動が認められた一部の脂質分子種については、老化関連表現型であるオートファジー異常や細胞老化に与える影響を検討した。本年度は、老化に伴う変動が認められた脂質分子種について、より対象を広げたスクリーニングを行なった。その結果、新たに一部のグリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール脂質がオートファジーや細胞老化に影響を与えることを見出した。現在、これらの脂質分子種による作用メカニズムの解析を進めている。さらに、これらの脂質分子種が老化とともに変動する分子メカニズムを調べるために、若齢・老齢マウス由来サンプルを用いたRNAseq解析を行った。その結果、これらの脂質の代謝に関わる酵素のうち、その発現が老化に伴い顕著に変動しているものを複数見出した。そこで、この代謝系の変化が脂質プロファイルや老化関連表現型に与える影響を調べるために、代謝酵素の過剰発現やノックアウト細胞株の作成を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにオートファジーや細胞老化に影響のある脂質分子種を複数見出すことができており、それらの作用メカニズムの検討を進めている状況である。一方、新たに活性が見出された脂質分子種に関しても、LC-MS/MSを用いた測定系の構築を進めている。総じて、順調に進展しているものと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
脂質分子がオートファジーや細胞老化に影響を与える作用メカニズムに関しては、細胞内シグナルタンパク質の変化に着目して解析を進める。脂質依存に変化が認められた場合には、そのシグナルタンパク質の活性化剤や阻害剤を用いて検討する。また、脂質代謝酵素の過剰発現細胞株やノックアウト細胞株の作成を引き続き進め、脂質プロファイルの変動や老化関連表現型に与える影響について精査する。さらに、候補となる脂質分子種については、LC-MS/MSによる測定系の構築を行う。これらの解析を行うことで、脂質代謝変動と老化に関連する表現型との因果関係の解明に繋げたい。
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