Project/Area Number |
22K11815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
志茂 聡 健康科学大学, 健康科学部, 教授 (80734607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 憲 杏林大学, 保健学部, 准教授 (00531485)
大野 伸彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10432155)
小田 賢幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20569090)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病性自律神経障害 / 消化管運動障害 / SGLT阻害薬 / 筋層間神経叢 / SBF-SEM / 3次元再構築 / アウエルバッハ神経叢 / 高脂肪食 |
Outline of Research at the Start |
食の欧米化により急増している肥満を伴う糖尿病において、下痢や便秘などの自律神経障害が高頻度に起こることが大きな問題となっているが、その原因やメカニズムは未だ不明な点が多い。本研究では、自律神経障害の発症が腸管神経叢の軸索種特異的な形態異常に起因する、という仮説を検証するため、軸索標識技術と3次元微細構造解析を用いて、肥満糖尿病モデルにおける各軸索種の微細構造異常の相違を明らかにする。さらに、SGLT阻害薬が各軸索種に及ぼす影響を解明し、腸管運動能や神経機能の変化と統合する。本研究成果は、糖尿病性自律神経障害の病態解明と神経保護に向けた、新たな治療戦略の確立に繋がるものと期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病では、下痢や便秘を繰り返すなどの自律神経障害が出現することが知られているが、これらの治療は未だ確立されていない。本年度は、肥満糖尿病モデルマウスを用いて、新規糖尿病薬SGLT阻害薬(フロリジン)の投与による消化管運動改善効果の検討を行った。 4週齢雄マウスに20週齢まで通常食(STD群、16Kcal% fat)もしくは高脂肪食(HFD群、60Kcal% fat)を与え、試料採取18時間前と2時間前にフロリジンを投与(HFD-PLZ群)した。生体内凍結技法により小腸採取後、パラフィン包埋を行った。免疫組織化学的解析では、各SGLT及びChAT、nNOS等に対する抗体を用いた。生理学的解析では、蠕動運動計測のためエバンスブルーを経口投与後の腸管内移動距離を比較した。さらに、腸管内移動距離と小腸長を個体ごと比較検討した。 小腸吸収上皮細胞においてSGLT1、SGLT2、SGLT3いずれもHFD群で減少を認めた。一方、HFD-PLZ群ではSGLT2、SGLT3で有意な増加を認めた。小腸筋層間神経叢において、HFD群でChATの有意な増加とnNOSの有意な減少を認めたが、HFD-PLZ群ではChATとnNOSともに、STD群と類似した傾向がみられた。蠕動運動計測では、HFD群はSTD群に比べて有意な低下を認めたが、HFD-PLZ群はSTD群との有意差を認めなかった。 腸管内移動距離と小腸長の比較では、STD群で正の相関、HFD群で負の相関を認めたが、HFD-PLZ群では相関を認めなかった。 肥満糖尿病では、小腸吸収上皮細胞におけるSGLTが減少するとともに、小腸筋層間神経叢においてChAT、nNOS局在が変化することが示唆された。また、フロリジン短期投与により、一部の個体で消化管運動が改善する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度に計画されていた糖尿病モデルマウス作製は、ほぼ予定通りに作製することができた。一方、免疫電顕試料の作製および連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)での解析では、免疫電顕の条件検討が想定以上に時間がかかったため、計画されていた予定から若干遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では、遅延している神経伝達物質マーカー(ChAT、VIP、nNOS、Substance P、VIP、CGRP)による免疫電顕法の染色条件を確立する。さらに、補完データとして連続切片での免疫組織学的解析により各神経を同定する。SBF-SEMで取得した3次元微細構造解析は、新たなセグメンテーションツール(VAST Lite)を用いることにより、さらに画像解析の効率化を進めていく予定である。
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