Project/Area Number |
22K11867
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
青山 友佳 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (40460498)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 先天性ケトン体代謝異常 / モノカルボン酸トランスポーター(MCT) / MCT1 / MCT4 / 遺伝子多型 / ケトン体代謝 / 遺伝子多型解析 / 先天代謝異常症 / 乳幼児突然死 / モノカルボン酸トランスポーター / 先天性ケトン体代謝異常症 / ケトン体 / 分子栄養学 |
Outline of Research at the Start |
乳幼児の突然死にも関わるケトン体代謝異常症の病態解析を進めるなかで、ミトコンドリア内のケトン体の作用機序が正常でも代謝異常が発生することがあった。この疑問を解決するため本研究では、細胞膜に存在し細胞内外のケトン体濃度を調整するモノカルボン酸トランスポーター(MCT)に着目し、ケトン体代謝に特に関わるMCT1、MCT4の遺伝子変異・一塩基多型の解析を行う。さらにMCT1、MCT4欠損モデル細胞の構築により、乳酸・ケトン体利用とミトコンドリアでの代謝異常への影響を評価する。これらの解析から、ケトン体代謝異常の重篤なケトアシドーシス発作の発見につながるバイオマーカーの確立につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
先天性ケトン体代謝異常症は遺伝性の希少疾患であり、乳幼児において重篤なケトアシドーシス発作を起こし乳幼児突然死の原因にもなる。ミトコンドリア内のケトン体代謝異常が原因とされているが、その発症機構は不明な点が多い。本研究では、ケトン体代謝異常の重症度の差を引き起こす原因として、遺伝子変異だけでなく一塩基多型にあると予測し、細胞膜とミトコンドリアに関連する代謝経路でのケトン体利用の解明を進めている。 今年度は、ケトン体代謝異常症では未解明な細胞膜上のトランスポーターであるMCT1およびMCT4において、ヒトDNAからの遺伝子多型解析、ヒト皮膚線維芽細胞をCRISPRCas9システムでノックアウトし樹立したMCT1欠損細胞にて、タンパクの機能およびケトン体代謝の評価について総合的にアプローチするための実験系を構築するため、下記の実験を進めた。 ①遺伝子多型解析:前年度に確立した指尖採血の乾燥血液ろ紙からのDNA抽出方法を用いて、8サンプルのヒトDNAにてMCT1をコードするSLC16A1遺伝子のrs104943の有無を評価するため、リアルタイムPCRによるSNP解析の条件検討を行った。全てのDNAで片方のアレルにrs104943が認められ、両アレルでのSNPは認められなかった。MCT4をコードするSLC16A3のrs368788465では、リアルタイムPCRのプローブ設計が難しく、引き続きプローブの反応条件の検討を進める。 ②ケトン体の代謝解析: MCT1欠損細胞株を低グルコース培養の条件下に置き、6時間と24時間での細胞外のβ-ヒドロキシ酪酸の変化を発光アッセイにて測定した。β-ヒドロキシ酪酸の評価は可能となったが、MCT1欠損細胞の発育不良のため使用するアッセイ試薬に必要な細胞数を確保できないことから、MCT1欠損細胞の構築から再検討する必要があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当研究室のサーマルサイクラーの故障により研究全体に関わる遺伝子解析に遅れが生じた。また、今年度の計画としていたMCT1、MCT4欠損細胞株におけるケトン体代謝解析、乳酸の代謝とミトコンドリアでのエネルギー代謝評価について、当初の予定通り進めることができなかった。これまでに樹立したMCT1欠損細胞の発育の不良により、再度、細胞の樹立が必要となったため、MCT4欠損細胞の樹立と乳酸およびケトン体の代謝解析まで進めていない状況にある。現在、MCT1欠損細胞についてはHEK293細胞を用いてCRISPRCas9システムでのノックアウト細胞を構築を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に取り組めていない課題と当初の実験計画に沿って、下記について進めていきたい。 (1)MCT4の一塩基多型解析: 昨年度に引き続き、SLC16A3のrs368788465についてリアルタイムPCRの条件検討を行い、MCT4におけるSNP解析を確立する。 (2)MCT4欠損細胞株の樹立: MCT4欠損細胞株を樹立しエネルギー代謝解析を進める。MCT1欠損細胞株によるエネルギー代謝解析の結果をふまえ、MCT1とMCT4の2つのトランスポーターでの代謝の違いを評価する。 (3)乳酸・ケトン体代謝解析およびミトコンドリアのエネルギー代謝解析: MCT1、MCT4欠損細胞株にて低グルコース条件での培養を行い、乳酸やβ-ヒドロキシ酪酸の取り込みとミトコンドリアでのATP活性から、2つのトランスポーター欠損でのケトン体代謝の違いを評価する。MCT1、MCT4の欠損による乳酸およびケトン体代謝や関連する代謝経路における特徴的なバイオマーカーを解析し、T2欠損症および疑い症例の評価につなげる。
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