トリプルネガティブ乳癌のサブタイプ別にみた大豆イソフラボンの抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
22K11895
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
小野 美咲 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (10441726)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | トリプルネガティブ乳癌 / 大豆イソフラボン / サブタイプ |
Outline of Research at the Start |
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は乳癌の15%程度を占め、標的治療薬がなく、化学療法抵抗性、予後不良、早期再発、転移を特徴とし生存率が低い。よって新たな予防および治療オプションが必要になるが、現在のところ確立されていない。本研究では大豆イソフラボンのTNBCに対する抗腫瘍効果を細胞実験、動物実験にて評価する。まず、Src阻害作用のあるゲニステインがTNBCに対しSrc阻害剤と類似効果を示すか検討する。次に、大豆イソフラボンを併用添加しヒト血中濃度の範囲内で抗腫瘍効果が認められるか判定したのち、治療における安全性の評価として化学療法薬への影響を評価する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は乳癌の15%程度を占め、化学療法抵抗性、予後不良、早期再発、転移を特徴とし生存率が低い。よって新たな予防および治療オプションが必要になるが、現在のところ確立されていない。大豆イソフラボンはアジア人において乳癌リスクを低減させることが報告されている。本研究では大豆イソフラボンのTNBCに対する抗腫瘍効果を細胞実験、動物実験にて評価する。TNBC細胞株であるMDA-MB-231、MDA-MB-468に対して、WST-1アッセイによる細胞増殖抑制効果を評価したところ、大豆イソフラボンであるゲニステイン(GEN)、ダイゼイン、エクオール(EQ)の半細胞増殖抑制濃度は、MDA-MB-231がそれぞれ、82±2.2μM、100μM以上、100μM以上、MDA-MB-468がそれぞれ、41±3.7μM、75±4.1μM、100μM以上であり、MDA-MB-468に対してGENが増殖抑制効果を示したものの、他の成分については増殖抑制効果はほとんど見られなかった。これまでにエストロゲン受容体陽性細胞にて、大豆イソフラボン成分の併用添加が相乗的な細胞増殖抑制効果を示すことを明らかとしていることから、TNBCについてもその効果を検討するため、0-100μM GENを添加し、50μM EQを併用し添加した結果、すべての濃度で相乗的な増殖抑制効果を示した。GEN(100μM)+ EQ(50μM)の併用では、GENあるいはEQ単独添加と比較して、それぞれ約30%および75%増殖を有意に抑制した。さらに、併用添加によりアポトーシスを示すsub G1分画が増加し、同時にDNAの断片化を示すcleaved PARPの顕著な増加がみられた。さらに抗アポトーシス蛋白であるBcl-xLの減少、アポトーシス誘導蛋白のBaxの増加がみられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究に用いるトリプルネガティブ乳癌細胞の入手が世界的な流通の遅延から入手が遅れ、実験開始が遅れたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
TNBCに対する大豆イソフラボンの併用添加による相乗的な細胞増殖抑制効果の検討及び機序解析を実施するとともに、GENはチロシンキナーゼを阻害するため、Src阻害剤に高い感受性を示すTNBCに対して、強い抗腫瘍効果を示すと考えられるが、Src阻害剤同様、BLBタイプに特異的なのか、ビメンチンの発現による影響があるのかという点が不明である。よって、MDA-MB-231(BLB)、MDA-MB-468(BLA)の2種のTNBC細胞を使用し、Src阻害への影響をSrc阻害剤PP2をポジティブコントロールとし検討する。またGEN以外の大豆イソフラボンDAI、EQについての報告もないため、同時に検討する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)