Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Outline of Research at the Start |
本研究課題では, データのもつ形に注目した統計解析の方法の構築とその実際のデータを用いた応用を目的とする。ここで扱う幾何的な構造をもった空間とは, 円周や球, トーラスやシリンダーといった幾何多様体を指す。このような幾何多様体上のデータ解析において中心的な役割を果たすのは角度変数であり, 角度のもつ周期性を取り入れた確率モデルや統計解析の手法が必要となる。そのような幾何多様体上の統計解析の手法を機械学習やデータサイエンスに応用することが本研究課題の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
方向統計学における角度変数の確率分布には, 広く一般に知られて実データ解析で用いられているフォンミーゼス分布や巻き込みコーシー分布等がある。これらの確率密度関数は周期性をもつことが知られていて, 線形時系列解析におけるスペクトル密度関数と対応する。一方, 実数値線形時系列解析では, 例えば, 1次の自己回帰過程や移動平均過程のスペクトル密度関数は, 原点または, ±πにモードをもつが, 任意の周波数にモードを持ち得ない。そこで実数値線形時系列を複素値時系列に拡張することによってこの問題を解決し, 方向統計学における円周分布と複素値時系列解析のスペクトル密度関数の対応について調べた。また, 非対称性を扱った円周分布のクラスである, 正弦摂動法に対応する実数値線形時系列を定義し, その母数推定方法について調べた。
次に, 角度変数と正の実数値変数を持つ2変量分布であるシリンダー分布の, 円周分布の非対称性を扱った確率分布のクラスを提案し, その分布特性やパラメータ推定方法について調べた。既存の正弦摂動法によるシリンダー分布では, 十分な角度変数の非対称性を明示的に扱うことができなかったが, 正弦摂動関数を拡張することによってその問題の解決を与えた。提案した確率分布は, 正規化定数が陽に表すことができること, いくつかのモーメントが陽に表すことができること, 乱数生成が容易であることから, 柔軟で実用可能な確率モデルのクラスとして扱うことができることを示した。
最後に, 2022年に論文で表した, 円周分布,2変量円周分布(トーラス分布), 同時シリンダー分布の非対称性を扱った確率分布の構成方法(Abe et al. 2022)の非対称の程度を拡張可能は確率分布の構成方法を調べて, その性質やさまざまな多様体上の確率分布への応用について紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Book Chapter1編, 査読付き学術誌1報, 査読なし学術誌1報, 国際会議報告・国際研究集会報告合わせて6件の研究成果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は, 2023年度に引き続き下記3点の研究を行う. 1) トーラスやシリンダー、超級面上の各種幾何多様体上の確率モデルに対する確率モデルとその回帰モデルや時系列モデルへの展開を行う. 特に, 同時シリンダー分布の構成とそのマルコフモデルへの応用に関する研究を行う. 2) フレキシブルモデルやそれを用いたデータサイエンスへの展開を行う. フレキシブルモデルとは, 観測データの広い分布を扱えること, かつパラメータ推定が容易に可能であること, かつ, パラメータの解釈が可能な統計モデルのことを指し, このような確率モデルを利用した角度データ・幾何多様体上のデータ解析やその統計的推測論について研究する. 3) これらの統計モデルを基礎とした機械学習やデータサイエンスへの諸問題への応用に関する研究を行う.
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