Project/Area Number |
22K11967
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60050:Software-related
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森口 草介 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (60733409)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 卓雄 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (20222408)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 関数リアクティブプログラミング / 消費電力 / 周期的タスク / プログラミング言語 / 組込みシステム / サイバーフィジカルシステム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、組込みシステム向け関数リアクティブプログラミング言語に電力を表す型を組み込むことで、IoT機器などの組込みシステムにおいて、目標とする消費電力を表現可能にする。特に、プログラムの記述性と消費電力の精度の両立を目的として、複数の言語とその理論的基盤を構築、その上に解析用アルゴリズムを構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は時間についてパラメータ化したプログラミング言語についての発表を行った。本研究課題は消費電力をパラメータとするものだが、組込みシステムにおける消費電力は、周辺機器の使用時間やCPUの稼働時間に大きな影響を受ける。 時間に関する管理は組込みシステムでは重要なタスクの一つだが、その時間の記述と実際のタスクが混在するため、非常に可読性の低いプログラムとなりがちである。関数リアクティブプログラミング言語によるデータフローの記述はタスク同士の依存関係を明らかにする。この依存において時間的な性質を記述することで、可読性を保ったまま細かな時間指定を可能とする。 2023年度の成果は主に三つ存在する。一つはEvEmfrpと名付けた、周期的・非周期的タスクを記述可能な関数リアクティブプログラミング言語に関する、実装の消費電力を計測したものである。周期的タスクに対し、CPUのスリープにより十分な消費電力の削減が行えたことが示された。なお、この実装はRTOSと呼ばれるミドルウェアの上に実装されており、RTOSに起因する消費電力がある程度存在している。そのため、消費電力削減のためにRTOSの設定をアプリケーションに最適化する必要がある。 二つ目はTEFRPと名付けた、周期的タスクの記述にフォーカスを当てた関数リアクティブプログラミング言語の提案である。EvEmfrpに対して機能を制限している代わりに、周期的タスクの記述性を向上させ、また実装に必要な要素が簡素化されている。 三つ目はEvEmfrp/Sと名付けた、非周期的タスクの記述性と省電力性にフォーカスを当てた言語とそのプロトタイプ実装に対する消費電力の計測を行ったものである。EvEmfrpと異なり、非周期タスクを柔軟に設定でき、さらに実装をミドルウェアを経由せずに行った。これらにより処理を減らし、消費電力が劇的に減少できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の成果は、消費電力を陽にパラメータとするものではないが、時間について明記し、さらにそれらと消費電力の関係を扱っていた。実際に計算を行う時間や周辺機器を利用する回数(頻度)が消費電力に大きな影響を与えている。 平均消費電力や最大消費電力を示すにあたり、これらの情報をベースとすることが適切であり、入力から出力までの計算を一度行う範囲(つまりデータフロー全体の評価)で表現すべきでないことが明らかとなった。 消費電力は時間に対して積算するものであるため、常時最大消費電力により見積もれば最悪消費電力として表現可能ではあるが、通常消費電力を関心事とするシステムにおいてそのような挙動は行わず、この見積もりは過大である。 今後の方策として、このような時間に対応した処理を持つ言語を対象とする拡張として消費電力の表現を適用することで、より現実的な解析を実装できる。この観点で、2023年度の成果としては、本来の方向とは異なってはいるものの、ある程度順調であると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の方策としては、大きく二つの方式を採る予定である。 一つは通常のFRPに対して消費電力に基づく分岐を導入したものを作成する。これは累積した(または単位時間の)消費電力を入力の時変値(関数リアクティブプログラミングが扱う変数の単位)として扱うことで、自然に導入できる。 もう一つは、実行の頻度等を行うメタレベルの構成を持つ言語に対する導入を行う。上記と同様に消費電力を時変値として取り扱うが、メタレベルに限定して扱うことで、通常のシステムの記述からは分離することを目的とする。
|