レジリエントな情報社会のためのデータ駆動型情報流通制御技術
Project/Area Number |
22K11990
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
津川 翔 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40632732)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ソーシャルネットワーク / 情報拡散 / インフルエンサー / グラフニューラルネットワーク / コミュニティ |
Outline of Research at the Start |
情報ネットワークを介した誤情報の拡散は、社会に大きな混乱をもたらし、場合によっては人々の生命をも脅かす。パンデミックや大規模災害の混乱を早期に克服するレジリエントな社会のためには、情報ネットワークを介した誤情報の拡散を抑制し、情報流通を適正化する技術が不可欠である。本研究では、大規模データから誤情報拡散の普遍的な特徴を抽出したモデルを学習することによって、誤情報拡散の初期段階において、その誤情報を大規模に拡散させるきっかけとなるユーザ群を特定する手法を開発する。さらに、誤情報拡散のきっかけとなるユーザに対するゆるやかな介入によって、誤情報拡散被害を飛躍的に低減するための方法を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、誤情報の流通に起因する社会の混乱を防ぎ、レジリエントな社会を実現することを目指して、社会ネットワーク上での情報流通を適正化するための基礎技術を研究している。 特に2023年度においては、(1) 情報拡散予測を用いて、大規模な情報拡散のきっかけとなる社会ネットワーク上のリンクを特定する手法に関する研究、(2) 大規模な情報拡散のきっかけとなるインフルエンサーを特定する手法の研究、に取り組んだ。 研究項目 (1) では、大規模な情報拡散のきっかけとなるリンクを特定し、そのリンクを通じた情報拡散をブロックすることで、情報拡散の規模をどの程度抑えることができるかを評価した。過去の情報拡散の履歴から、将来情報を拡散する可能性の高いユーザーを予測し、そのユーザーに到達する経路をなくすように情報拡散をブロックする手法を検討した。しかしながら、Twitter の実データを用いた分析の結果、このような情報拡散をブロックすることで情報拡散の規模を抑える効果は限定的であることが明らかとなった。2022年度に引き続き、本研究項目では、従来有望視されていたリンクブロック手法による情報拡散抑制効果が限定的であることを示した。 研究項目 (2) では、ソーシャルメディアユーザー間の関係を表現したソーシャルネットワークから、大規模な情報拡散のきっかけとなるソーシャルメディア上のインフルエンサーを特定する手法を開発した。特に、あるデータで学習したインフルエンサー特定モデルを他のデータへ適用するための方法、およびソーシャルメディアユーザー間のソーシャルネットワークの構造が部分的にしか判明していない場合におけるインフルエンサー特定手法を考案した。それぞれ、実データを用いた実験により、その有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、2022年度に引き続き、大規模な情報拡散のきっかけとなるリンクやユーザーを特定する手法の開発とその評価を実施した。 社会ネットワーク上のリンクブロック手法については、2022年度に引き続き、情報拡散の抑制にそれほど有効でないことを示す結果が得られた。この結果自体は期待通りではなかったものの、別のアプローチとして、大規模な情報拡散のきっかけとなるユーザーへの介入により意図しない情報拡散を抑制する方法の研究に特に注力することとした。 大規模な情報拡散のきっかけとなるインフルエンサーを特定するための手法については、学習データが限られている場合や不完全な場合への対応など実応用を想定した手法の研究が順調に進んでいる。今後、特定したインフルエンサーへのゆるやかな介入による情報拡散抑制の効果を検証する予定である。 これらを総合して、ソーシャルメディア上の情報流通適正化のコア技術の確立に向けて、概ね順調に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2024年度には、誤情報の発生、拡散、介入の一連の流れのシミュレーション評価によって、実社会に適用可能な誤情報拡散抑制手法の解明に取り組む。 社会ネットワーク上のリンクへの介入はそれほど効果が期待できないため、特にユーザーへの介入手法を中心に研究する。データ収集やモデルの学習など、ソーシャルメディア上の情報流通適正化に向けた技術的な課題を明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)