Project/Area Number |
22K11998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
ロペズ ギヨーム 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80572958)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ウェアラブル / 生体センシング / スキルアップ支援 / ナッジ / 行動認識 / スキル定量化 / 運動スキル |
Outline of Research at the Start |
近年,ウェアラブル端末の普及に伴い,スポーツ分野でもセンサを身体や道具に装着し,取得したデータからその挙動を分析する研究や技術が進んでいる.しかし,それらの多くは専用装置を必要とする,センサの装着位置が限定される,高価でプロフェショナルしか利用できない,計算機による後処理を必要とするほか,その場でスキル改善のためのフィードバックまで行うものはない.本研究では,汎用的なウェアラブル端末内蔵のセンサ信号に基づいて,デバイス非依存な手法で挙動の識別および,その場での技能レベルの評価を可能にする基盤を構築する.さらに,技能向上に繋がるナッジを考案・実装し,前述プラットフォームに統合化する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,近年普及しつつある日常生活で用いることのできる市販の汎用的なウェアラブル端末を用い日常的なトレーニングを楽しく行えるように支援することである.ウェアラブル端末のセンサ信号(加速度,角速度,心拍数など)とフィードバック機能(画面,振動,音など)を汎用的に統合するプラットフォームを構築するとともに,そのプラットフォームを活用する運動スキル向上支援システムを開発し,様々なスポーツの継続性およびスキルの向上への効果を検証する. 2023年度も,様々なスポーツを対象に,実験環境ではなく,リアルな実施環境においてデータを取得,提案システムを評価することに注力した.具体的に,テニスと,バスケットボールにおいては,データ取得,行動検出と,行動識別を行って,サッカーと体幹トレーニングにおいては,運動行動変容に繋がるリアルタイムフィードバックの効果を検証した. リアルな実施環境における行動自動検出は,テニス・バスケットボールとも,90%以上の検出率を実現した.行動の自動分類に関して,テニスにおいて3つ、バスケットボールにおいて2つをターゲットにするとともに,その他のターゲットではない行動も混在した場合の機械学習モデルの平均精度を評価し,個人間よりも,行動間のバラつきが大きいことが分かった. また,リアルタイムフィードバックに関して,体幹トレーニングにおいて,ユーザのモチベーション向上に寄与することを目的に,競争心を掻き立てるランキング機能や個人の成果を確認できるデータ閲覧機能を実装した.そして,サッカーにおいて,リフティング練習のモチベーション向上システムLIYAPの開発と,その有用性に関する評価実験を実施した.リフティング検出の不正確さから評価は平均的になったが,自動記録機能が自主練習のきっかけになったことと,Rankingモードの競争によりモチベーションが向上したとの知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するために,次の3つの独自的な技術を創造している:①デバイス非依存挙動認識手法,②動的技能レベル定量化手法,③スキル向上ナッジ. まず,①に関して,周期的・非周期的運動・スポーツのデータを取得すること,既存の機械学習手法の汎用性を評価することと,スポーツ種に依存しない動作検出と認識手法の開発を開始することを目標たてた.本項目は,主にサッカー・テニス・バスケットボール・体幹トレーニング(非周期的運動)と,ボクササイズ・リフティング(周期的運動)において取り組んだ.各運動の体動データ波形の分析から,多くの種目において90%以上の動作検出率を実現するセグメンテーション手法を提案した.一般的な機械学習による動作認識は実験環境で取得したデータに対して高性能を実現していても,実環境でのデータに対して,4-5つの動作認識の平均精度が向上したが,ユーザの熟練度による分散が大きい.また,実際のユーザに利用して,ニーズおよび改善点を指摘して頂けるように,センシング,データ通信,動作検出,動作識別,結果のリアルタイム蓄積・表示の一連の処理を統合したシステムの開発を行った. ②に関して,リフティングのように,フォームが不安定な動作の場合,検出精度が悪くなってしまうことが分かった.また,スキルレベルは検出率にあまり影響しなかったが,識別精度のバラつきに大きく影響していることが明確になった. ③に関して,サッカー,体幹トレーニングおよび,ランニングにおいて,センサデータのリアルタイム処理結果をフィードバックする機能を実装した.単純な認識と動作カウント・記録が自主練習のきっかけになっていることと,オンラインRanking機能の競争によりモチベーションが向上するとの知見を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,主に次の3つの独自的な技術の創造に取り組んでいる:①デバイス非依存挙動認識手法,②動的技能レベル定量化手法,③スキル向上ナッジ. ①に関して,各スポーツ・運動における既存手法の性能評価と欠点を明確にした.動作検出率はまだ向上する余地がありつつ,現状では十分利用できる.一方,動作の認識制度は,簡易ユーザ評価の結果から,60%代では不十分で,システムの利用性を大きく下げてしまう.なお,個人差よりも,動作間の差の影響が大きいことから,各動作を表現する特徴量を検討することで改善が見込まれる.また,センサの装着位置を変えた場合の性能への影響も検証していく. ②に関して,各スポーツ・運動において,より多くの技能レベルの方のデータを取得し,レベル判定手法の検討を行っていく. ③に関して,リアルタイムだけではなく,中期的なスキル改善およびモチベーション維持に効果のあるフィードバック提示手法の提案と実装を行っていく. 最後に,各スポーツ・運動専用のシステムから,共通に利用できる総合プラットフォームの開発を開始する.
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