Development and application of hierarchical simulation system based on large-scale quantum chemical calculations
Project/Area Number |
22K12064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60100:Computational science-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西村 好史 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (10778103)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 計算化学 / 量子化学 / 分子動力学 / 分子シミュレーション / 並列計算 |
Outline of Research at the Start |
物質・材料設計を念頭に置いたシミュレーションにおいて、大規模系の量子的取り扱いを反映した計算による複雑な現象の説明に期待が集まっている。本研究では、マルチスケール問題について大規模量子化学計算を主軸とした処理の糸口を開く階層的シミュレーションシステムを構築する。そして、開発したシステムをナノスケール分子集合体へ適用し、現実的な空間スケールのモデルにおける量子的取り扱いの重要性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大規模量子化学計算に基づく階層的シミュレーションシステムを構築し、ナノスケール分子集合体への応用を通して大規模モデルを用いたシミュレーションにおける量子的取り扱いの有効性の実証を目指す。階層的シミュレーションシステム構築のために、所属研究室で開発された大規模量子化学計算プログラムDCDFTBMDの高度化や補助ユーティリティ整備を行う。ナノスケール分子集合体への応用として、ナフィオン中のプロトン伝導や水溶性ポリマーの熱分解プロセスに対する化学反応シミュレーションの実行と解析を行う。2023年度は階層的シミュレーションシステムの完成に向けて、プログラムの高度化、解析を効率化するための補助ユーティリティ開発、両要素技術の一体化を図る。また、ナフィオン中のプロトン伝導に関する応用計算に着手する。 DCDFTBMDを基盤とするマルチスケールシミュレーション実現のため、ハイブリッド計算手法のひとつであるour own N-layered integrated molecular orbital and molecular mechanics (ONIOM)法を実装し、大規模量子化学計算をより高精度な量子化学計算や分子力場と組み合わせた場合の計算効率を評価した。また、シミュレーションのサンプリング効率化を可能とする加速分子動力学法の機能を整備した。補助ユーティリティとして、分子軌道可視化用データファイル出力の機能をプログラムに内蔵した。 ナフィオン中のプロトン伝導に関する応用計算のため、系に含まれる含水率を変化させた数千原子規模のモデルを作成し、分子力場を用いた予備平衡化ならびに大規模量子化学計算を用いた平衡化計算までおおむね完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ONIOM法の実装により、階層的シミュレーションシステムの中核となるポテンシャル計算の拡張に関する項目は達成された。また、加速分子動力学法の機能拡充により、分子シミュレーション手法を拡充するためのプログラム拡張に関する項目も内容を充実させることができた。補助ユーティリティ整備についても、分子軌道の可視化の点で一定の進展があった。ナフィオンのプロトン伝導に関する応用計算では、本計算を開始するための準備が整った。以上を総合して判断すると、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はナフィオンのプロトン伝導に関する本計算を実施し、プロトンダイナミクスの追跡とプロトン拡散の含水率依存性の解析により、プロトン伝導機構の分子レベルでの詳細解明を目指す。また、水溶性ポリマーの熱分解プロセスに対する化学反応シミュレーションに着手する。化学反応イベントを効果的にサンプリングするため、これまでに実装・拡張したナノリアクター分子動力学法や加速分子動力学法を活用し、ポリマーの形態と挙動や温度依存性に関する情報の取得を図る。必要に応じて、階層的シミュレーションシステムが対応する外部ソフトウェア数を増やすためのインターフェース開発を実施する。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)