Project/Area Number |
22K12137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
武岡 成人 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (30514468)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | MIDS法 / 多入力型ΔΣ変調器 / スピーカアレイ / 波面合成法 / サーモホン / 超多チャンネル / MIDS / 超多チャンネル信号処理 / 音響トランスデューサ / バーチャルリアリティ |
Outline of Research at the Start |
本研究では多入力型ΔΣ変調法(MIDS法)と非線形電気音響変換器を組み合わせることで,簡潔な構成で多チャンネルのスピーカアレイを構築する手法の確立を目指す。 これまで原理的にクロストークが発生しないパッシブマトリクス駆動を行うMIDS法について提案・検討を進めてきたが,これらはトランスデューサが信号対の積に比例した出力を行うことが前提となっていた。そこで本研究ではサーモホンなど非線形変換器を導入し,スピーカの再生原理そのものに乗算機構を持たせることで格子状の共通電極と熱変換素材のみという極めて簡潔な構成での高密度スピーカアレイの実現を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,我々が提案している多入力型ΔΣ(MIDS)変調法と,入力信号に対して非線形な出力を行うトランスデューサとを組み合わせることで,共通の電極とトランスデューサ素材のみから構成されながらも個別に制御されるスピーカアレイを実現しようというものである。本年度は前年までの検討結果を元に,実装上の新しい可能性として塗布型の実装手法を検討した。 ・CNT分散液を用いた塗布によるスピーカアレイの生成 前年度までの基礎検討において,MIDS法にサーモホンを導入することで素材と電極のみで構成するマトリクス・スピーカアレイの基礎動作が確認されていた。そこで本年度はサーモホンの構造的な簡潔性に着目し,サーモホンの素材をCNT分散液から生成することでスピーカアレイのプリンタブル化について検討した。サーモホンは発熱により空気の膨張を促すものであるが,塗布型のサーモホンはサーモホン素材を簡便かつ安定して設置できる一方で,塗布する対象となる基材との熱伝導も含めた特性となってしまう。すなわち,基材側での蓄熱を避ける必要があることから本年度は放熱層を設けた専用基板を用いた基礎実験,およびその応用として先行研究に基づき断熱層と放熱層を組み合わせた構造で提案法のスピーカアレイを試作し,所望の波面の生成がなされている様子を確認した。本研究で示された共通配線とプリント工程のみで実現される構造は,今後スピーカアレイの微細化,薄膜化,低コスト化など様々な利点が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目標である共通電極と素材のみで構成する多チャンネル駆動法の確立に向けて,前年度に確認された基礎原理を元に本年度は実装手法の検討を加えた。前年度の基礎検討で着目したCNTウェブを用いたサーモホンは,熱容量が低く構造が簡潔である一方で空気中に独立して設置する必要があり,実用に向けて実装面で課題があった。今回検討されたプリンタブルな構造は,再生音レベルに課題を残すものの製造工程に代表される実現上の利点が非常に大きい。プロジェクト全体の位置づけとして,提案法の実装に向けた基礎的な検討を行ったことで次年度の試作実験段階への準備を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は駆動線が共通でありながら各点を独立に制御する新しいアレイ駆動法に,非線形な再生原理を持つトランスデューサを導入することで共通電極と素材のみで制御されるスピーカアレイを実現しようというものである。2023年度までの検討により,提案する手法の基礎理論の有効性と実装方法への検討が加えられた。そこで2024年度以降はそれら実装方法に基づいたスピーカアレイについて,サーモホン材料を塗布する基材やプリンタブルな実装方法について検討を加え,実用上の諸条件について検討していく。また,プリンタブル構造を用いることで,サーモホンの特徴である高周波特性が良好であることに加え,超高精細スピーカアレイという新たな可能性が示された。そこでそれらの有効性についても検討を加えていく。また,プロジェクト全体としてはマイクロホンアレイとの併用による音場伝送システムの基礎実験を含め,新しいスピーカアレイ構造の確立を目指す。
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