Project/Area Number |
22K12142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61030:Intelligent informatics-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野田 五十樹 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (40357744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 聡 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (30346100)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マルチエージェント / シミュレーション / ゲーム / 社会シミュレーション / 不均質 / 計算社会科学 / 非均質性 |
Outline of Research at the Start |
非均質なエージェントからなる MASS は社会の複雑さを反映できると同時に、非均質さがシミュレーションに及ぼす影響を慎重に扱う必要がある。 これを解決する方法論としては、エージェントのモデルおよびシミュレーション環境に内在する均質性・非均質性の仮定を陽に扱い、[A] エージェントモデルアプローチと [B] エージェント行動結果アプローチの 2 つのアプローチでシミュレーション設定と同化すべきデータの関係を分析していく。これらをもとに、それがエージェントの振る舞いに与える影響やその軽減化を行う手法を確立し、MASSの精緻化・応用範囲の拡大を目指していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ビッグデータと連動させるマルチエージェント社会シミュレーション (MASS)における非均質性の影響の分析とそれに基づいたシミュレーションの精度向上手法の確立を目指している。 それに向けて本年度は、まず[A]エージェントモデルアプローチとして、ゲーム探索に置いて、エージェント行動の偏りの1つである予測スコアを分布で学習する枠組みを構築し、単純に強いゲームエージェント以外に、相手やシミュレーション局面に適応できる手法を開発した。また、交通における渋滞を偏りとみなし、その局所的な情報から交通の平滑化・円滑化を試みるモデル、粘菌モデルの提案を行い、競合する交通流を円滑に誘導するグリーンウェーブが生成できることをシミュレーションで示すことができた。 [B]エージェント行動結果アプローチとして、シミュレーション設定を柔軟に変更しつつ大規模並列実行・分析を行う枠組みWaffleの開発をさらにすすめ、シミュレーションによる行動結果と実データの同化が様々な応用で可能であることを示した。また、人流シミュレーションとして、行動結果から災害対策の評価を行う手法を、津波避難を題材にテストケースを分析した。さらに、都市部におけるイベント人流を題材として、不均質さの発生度合いや、不均質さに起因する渋滞の削減などを目的とした誘導手法のシミュレーションに着手した。 以上、当初の目標通り、マルチエージェント社会シミュレーションの応用を広げる基盤となる技術開発を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
汎用的なツール Waffle の開発や、粘菌モデルを始めとする基礎的な数理モデルや分析手法を確立してきている。さらには、基礎的な研究にとどまらず、交通・人流・ゲームなど、多用な応用に展開することができている。交通・人流については、実用的な設定において、初期の不均質さがどのように現象の進展に影響し、また、さらなる不均質さを生じるかなどを分析することができ、2年次に予定されていた目的を満たしてきている。また、ゲームにおいては、スコア分布の不均質さを活用することで、通常のゲーム探索では実現しにくい様々なゲーム展開を可能とすることを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
粘菌モデルを中心とする数理モデルでは、より複雑な条件下での適用可能性を探り、汎用的な枠組みとして手法を確立していく。 Waffleなどデータ同化・シミュレーション分析のツールについては、さらに大規模な応用に対して、活用を広げていく。 交通・人流・感染症・ゲームなどの応用に関しては、より実用的な分析・応用を広げるとともに、基礎となる数理モデルの改良・拡張のもととなる現象の発掘に務める。
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