Project/Area Number |
22K12187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
田川 聖治 近畿大学, 情報学部, 教授 (50252789)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 機会制約問題 / 機械学習 / 進化計算 / 最適化手法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大規模データに基づく機会制約問題(CCP)を定式化し、その目的関数を最小化する最適解とともに、制約条件を満たすか否かで大規模データを2クラスに分ける分離超平面を求める最適化手法を開発する。最適化手法は、進化計算アルゴリズム(EA)とサポートベクトルマシン(SVM)を組合せたもので、大規模データの変動に対して頑健な最適解が得られる。研究内容の核心は、EAによる解探索に伴うSVMの「教師データ」の適応的生成法である。また、最適化手法の有効性は、人工的なテスト問題のほか、輸送問題、生産計画問題、分散投資問題など、実世界における諸問題をCCPに定式化して評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
機会制約問題(CCP:Chance Constrained Problem)の定式化は、不確実性を既知の確率分布に従う確率変数として扱うものと、観測されたデータ(シナリオ)のバラツキとするものに大別される。近年、様々な分野で膨大なデータが蓄積され、その有効な使用方法が模索されている。しかし、既存の大規模データに基づくCCPの定式化と解法は、すべてのデータを十分に活用していない。本研究の目的は、大規模データに基づく新たなCCPの定式化と解法の開発である。新たなCCPの定式化では、制約条件を満たすか否かで全データを2クラスに分け、その比率からCCPの解の実行可能性を判定するとともに、複数の解候補から2クラスの分離超平面の間隔を最大とする解を探索する。このため、新たなCCPに対する解は、不確実性の確率分布に起因するモデル化誤差がなく、大規模データの変動に対する頑健性も期待される。 これまでの研究では、サポートベクトルマシン(SVM)で大規模データのクラス分けを行うとともに、進化計算でCCPの決定変数を最適化する手法を開発している。また、進化計算の一種である差分進化に基づき、SVM のモデル選択と訓練データの選択を同時に実行する手法を提案している。一方、実世界における提案手法の具体的な応用例として、融資を利用した分散投資問題をCCPに定式化し、その解空間の構造を理論的に明らかにするとともに、問題の知見に基づく最適化手法を提案している。また、行動経済学や意思決定理論などで用いられるプロスペクト理論に基づき、CCPに定式化した分散投資問題を拡張している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.進化計算によるサポートベクトルマシン(SVM)のモデル選択 サポートベクトルマシン(SVM)におけるハイパー・パラメータの設定をモデル選択と呼ぶ。SVM を含む「教師あり機械学習」では、ハイパー・パラメータの最適化手法が幾つか報告されている。しかし、SVM の性能はハイパー・パラメータのみならず、学習に用いる訓練データにも依存する。そこで,大規模な教師データからの訓練データの選択も最適化の処理に加えて、差分進化(DE)に基づくSVM のモデル選択の手法を提案した。新たに提案した手法では、SVMが学習した分離超平面の情報に基づき、ハイパー・パラメータと訓練データを同時に最適化するものである。具体的には、SVMの訓練データを生命進化における環境と見做し、動的環境下での進化計算の技法を用いて、SVMのハイパー・パラメータを最適化するとともに、SVMの訓練データを逐次的に更新する。さらに、機械学習ライブラリのベンチマーク問題を用いて、訓練データを逐次的に更新する提案手法の有効性も検証している。
2.分散投資問題の定式化とプロスペクト理論に基づく拡張 実世界における機会制約問題(CCP)の具体例として、融資を利用した分散投資問題の定式化とプロスペクト理論に基づく拡張に取り組んだ。まず、収益が目標値を下回る確率(不達成確率)をリスクとして指定することで、融資を利用した分散投資問題をCCPとして定式化した。また、その分散投資問題の解空間の幾つかの特性を理論的に明らかにした。さらに、行動経済学や意思決定理論などで用いられるプロスペクト理論に基づき、CCPに定式化した分散投資問題を拡張することで、不確実な状況下における人間の意志に関わる諸問題を、CCPとして定式化できることを示した。ただし、機会制約条件の評価には、データから構築した確率モデルや経験分布を使用し、現在のところSVMの利用には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、実世界における諸問題を大規模データに基づくCCPに定式化するとともに、進化計算と機械学習を組み合わせた解法を開発し、提案手法の有効性を検証する予定である。これまでに取り組んだ分散投資に関する機会制約問題(CCP)に加えて、より複雑な制約条件を含む在庫管理に関連する諸問題を、大規模データに基づくCCPに定式化する。また、提案手法により得られたCCPの解の最適性を検証する。さらに、データの変動に対するCCPの解の頑健性を評価するとともに、解の動的な更新方法についても検討する。
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