Project/Area Number |
22K12217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
西山 雄大 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (90649724)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 多感覚統合 / VR / 張力 / 運動感覚 / 臨場感 / VR酔い / 非慣性系 / 張力提示 |
Outline of Research at the Start |
動きながら観察される空間を非慣性系といい、そこでは見かけの力=慣性力が働く。私たちは非慣性系に適応しているため、日常的に慣性力を予測する。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用した仮想現実(VR)環境でもヒトは慣性力を予測する。しかしそこでの慣性力は視覚的にアリ、前庭感覚的にナシという不整合を伴い、VR酔いを引き起こす。HMD利用VR中の自然な慣性力提示にはどの様な機構が必要か?本研究では、張力制御機構を開発し、有限の身体上作用点で慣性力を再現可能か検証する。自転車走行を例とした開発・検証により、VR酔い軽減という工学的展開に加え、知覚行動可塑性に関する神経学的展開の基礎を作る。
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Outline of Annual Research Achievements |
動きながら観察される空間を非慣性系といい、そこでは見かけの力=慣性力が働く。私たちは非慣性系に適応しているため、日常的に慣性力を予測する。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用した仮想現実(VR)環境でもヒトは慣性力を予測する。しかしそこでの慣性力は視覚的 にアリ、前庭感覚的にナシという不整合を伴い、VR酔いを引き起こす。HMD利用VR中の自然な慣性力提示にはどの様な機構が必要か?本研究では、張力制御機構を開発し、有限の身体上作用点で慣性力を再現可能か検証する。 これまで、さまざまなコンテンツに対応できる汎用的張力提示システムを構築した。そのシステムでは、アルミフレーム内で被験者をはさんで両側に設置された2台のステッピングモータが、被験者に装着された2本のPEラインをそれぞれ互いに送り出す・引き戻すことで、ひとつの軸にかかる張力を作る。ステッピングモータは回転角及び回転速度の高精度な制御が可能であり、PEラインは伸縮性が小さく、モータが設置されたアルミフレームは十分な強度をもつため、精密な張力制御が可能である。また、アルミフレームは様々なコンテンツに対応できるように十分に大きく、前後左右上下方向に張力軸を作れるように設計さた。 このシステム構築と並行して、VRユーザの身体をロープで引っ張る(=張力を加える)実験を行った。これまでの実験では、スノーボード滑走をVRコンテンツとして用いた。被験者はHMDとスノーボードのブーツ・板に加えて、ロープのついたベルトを装着した。実験者は映像に合わせて前後左右方向にロープを手で引っ張る。臨場感への張力の影響を調べたところ、張力を与える条件は与えない条件に比べて臨場感が増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
張力提示システムを構築し、今後の機械制御を利用した実験の下準備ができた。また、手動での張力提示における心理評価の結果も蓄積されている。
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Strategy for Future Research Activity |
最近のHMDの普及により、VRは没入感の高い環境をユーザに与えることができるようになった。しかし、与えられる感覚刺激は視覚と聴覚に限られることが多い。多感覚統合によるVR体験の向上を期待して、触覚や前庭感覚を映像に合わせて与える研究が行われてきた。これに対して、私たちは運動感覚に注目し、移動中に身体にかかる加速度や慣性力を張力によって近似した。 実験で用いるコンテンツとして、すでにスノーボード、自動車運転、バイク走行の作成は済んでいる。張力提示装置の構築がほぼ完了したため、自転車運転、水上スキーなど乗り物のさまざまな転シーンの追加に加えて、一般的な歩行や昇降運動など、コンテンツの可能性について広がりが見えてきた。それらの映像記録をすすめながら、既存のコンテンツによる機械的制御の実験を行う。臨場感の評価には従来の研究で最もよく使用されているアンケート(Igroup Presence Questionnaire, IPQ)を用いる。また、HMD使用時の感覚間の不一致を反映すると考えられているVR酔いの評価も行う(Simulator Sickness Questionnaire, SSQ)。さらに、生理学的ストレス指標として心拍変動、皮膚電気活動、皮膚表面温度を計測する。以上の計測手法を用いて、テスト条件において臨場感やそれに関係する心理生理学的効果がベースライン条件に比べて向上することを明らかにする。
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