陸域植生太陽光誘起クロロフィル蛍光の衛星データの標準化
Project/Area Number |
22K12343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
押尾 晴樹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (50749520)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | リモートセンシング / 太陽光誘起クロロフィル蛍光 / 放射伝達モデル / 数値シミュレーション / 短波長放射 / クロロフィル蛍光 / 光合成 / 放射伝達 |
Outline of Research at the Start |
全球における植生の光合成量推定の不確実性を減らす方法として、太陽光誘起クロロフィル蛍光の衛星観測が注目されている。蛍光の観測値は、観測条件(観測の角度や太陽の角度)と植生の特性(植生の3次元構造や葉の反射率)の影響を含んでいる。本研究では、数値シミュレーションと機械学習により蛍光データの標準化(条件によらない値に揃えること)を試みる。様々な条件設定でシミュレーションを行い、衛星で観測可能な物理量と標準化された蛍光値のデータセットを作成する。それを用いた機械学習により、標準化された蛍光値の推定モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、放射伝達モデルにより様々な条件で太陽光誘起クロロフィル蛍光のシミュレーションを行い、太陽光誘起クロロフィル蛍光のリモートセンシングによる観測値と森林景観の特徴の関係を分析するための基礎となるデータを作成した。はじめにシミュレーション方法について検討した。当初使用を予定していたFLiES-SIFモデルは、確率論的な方法(モンテカルロ法)で光線の軌道を計算するものであり、安定的な結果を得るにはやや計算負荷が大きい。そこで、より負荷の小さい方法として、計算対象点と光源を結ぶパスのみを考慮して計算する方法(つまり、実際には光源から直接来る光だけでなく、周囲の物体で散乱して届く光もあるが、それは明示的には計算せず計算対象点と光源を結ぶパスの特徴量で近似する方法)もテストした。樹木の大きさ、波長帯、葉の角度、太陽天頂角など条件を変えて、モンテカルロ法と簡易法で樹木の吸収放射量を計算した。その結果、光合成有効放射であれば、条件によらずモンテカルロ法と簡易法の差は小さかった。一方で、近赤外域(リモートセンシングで太陽光誘起クロロフィル蛍光を観測する波長域)では、特に樹木のサイズが小さい場合にモンテカルロ法と簡易法の差が大きくなった。このことから、予定通りFLiES-SIFモデルを使用することとした。次に、FLiES-SIFモデルを用いて様々な条件で太陽光誘起クロロフィル蛍光のリモートセンシングによる観測値のシミュレーションを行った。本課題の目的が太陽光誘起クロロフィルの衛星観測データの標準化であるので、植生指数などを用いて太陽光誘起クロロフィル蛍光の観測値を植生キャノピー内の蛍光の総量に変換する既存の手法をテストした。その結果、熱帯雨林のように植生の密度の高い場所では、既存のモデルも有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、使用を予定していたシミュレーヨンのモデルを実装し、太陽光誘起クロロフィル蛍光のリモートセンシングによる観測値と森林景観の特徴の関係を分析するための基礎となるデータを得るための計算を実施することができた。また、その前段階の基礎的な検討として、モンテカルロ法と簡易法の比較を行い、使用モデルの意義を確認した。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断している。モデルの比較を行ったことで、太陽光誘起クロロフィル蛍光のリモートセンシングによる観測値のシミュレーションを実施できたケース数が予定よりも少なくなってしまったが、今年度の課題実施方法の工夫や、他の業務とのエフォートの調整を行い、予定の数まで実施できる見通しであるので問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は計画通りシミュレーヨンで得た結果の検証を行う。当初は航空機やドローンによるレーザー計測を実施して、実際の森林の3次元構造のデータを取得する予定であった。しかしながら、アーカイブ化されている点群データを用いればより効率的に研究を進めることができる可能性がある。例えば静岡県では1平米あたり数点の密度の点群が県全域に渡って無料で公開されている。このデータを使った場合、当初計上していた費用で、高分解能光学衛星データを購入することで、それとレーザー計測データを組み合わせた解析により葉の反射率やクロロフィル含有量など、森林の構造以外のデータも推定できる。研究の進捗やデータ取得のコストを鑑みて、上記のように計画の大枠は変えずにより良い内容で実施してゆく。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)