Project/Area Number |
22K12385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63020:Radiation influence-related
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
鶴岡 千鶴 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響研究部, 主任研究員 (60415411)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 放射線 / 微小重力模擬 / 複合ストレス / 発がん / 放射線と微小重力模擬 |
Outline of Research at the Start |
人類の深宇宙への進出や長期居住を考えると、微小重力や宇宙放射線などの極限的なストレスを長期的かつ複合的に受けることによる生体影響を明らかにすることは重要である。国内外では中枢神経系、循環器系、発がん等の影響研究が進められているが、この複合的に受けるストレスと発がんとの関係を報告した研究はない。そこで微小重力の模擬実験と放射線被ばくとを組み合わせて発がんの進行を定量的に評価する。またその際の免疫機能や腸内細菌叢の変化などの関与を明らかにすることにより、「微少重力模擬環境と放射線被ばくの複合影響は、発がんをどのように増強あるいは抑制し、それはどのようなメカニズムによるのか?」という問に答える。
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Outline of Annual Research Achievements |
人類の深宇宙への進出や長期居住を考えると、微小重力や宇宙放射線などの極限的なストレスを長期的かつ複合的に受けることによる生体影響を明らかにすることは重要である。国内外では中枢神経系、循環器系、発がん等の影響研究が進められているが、この複合的に受けるストレスと発がんとの関係を報告した研究はない。そこで微小重力の模擬実験と放射線被ばくとを組み合わせて発がんの進行を定量的に評価することは重要である。本研究では、「微小重力模擬環境と放射線被ばくの複合影響は、発がんをどのように増強あるいは抑制し、それはどのようなメカニズムによるのか?」という問に答える。そのため、消化管腫瘍を発症するモデルマウスを用い、発がんの進行を定量的に評価するとともに、免疫機能や腸内細菌叢の変化などの関与を明らかにすることにより、複合影響が及ぼす発がんのメカニズムを明らかにする。 R5年度は、R4年度で明らかにした尾部懸垂(微小重力模擬環境)と放射線の複合ストレスによる消化管腫瘍への影響についての論文がアクセプトされた。また、複合ストレスが消化管腫瘍発生に影響している時期で腸内細菌叢が複合ストレス群で変化していたので、詳細な解析を開始した。さらには、複合ストレスが腫瘍発生にもたらすメカニズムを明らかにするための動物実験を設定、サンプリングを行い、順次解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R5年度は、「①15週齢時における消化管腫瘍の発生と生理的変化の解析」にて、糞便を用いた腸内細菌叢解析を行った。「接地・非照射群」「接地・照射群」「尾部懸垂・非照射群」「尾部懸垂・照射群」4群それぞれ各2匹ずつの16SrRNAアンプリコン解析を行った結果、4群間で菌叢構造の類似度が有意に異なっていた。現在、4群間で有意に異なる菌を同定するため、多変量解析を行っている。「②15週齢までに生じる消化管腫瘍と生理学的変化の解析」にて、生後4、7、11、15週齢時に上記同様の4群にて解剖を行い、消化管、糞便(盲腸内容物)、胸腺、脾臓、血液を採取した(生後4週齢時のみ尾部懸垂実施前のため、「非照射群」と「照射群」)。血球計測の結果、照射による血小板数の減少傾向が生後4週齢時に観察されたが、他血球においては顕著な差は観察されなかった。小腸に観察された腫瘍は、生後11週齢時において「接地・照射群」より「尾部懸垂・照射群」で腫瘍数が増加する傾向を示した。また、尾部懸垂と放射線の複合ストレスによる15週齢時における消化管腫瘍発生の違いについて論文を執筆・投稿、アクセプトされた。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度前半では、「②15週齢までに生じる消化管腫瘍と生理学的変化の解析」にて採取した糞便を用い、腸内細菌叢解析を外注にて行う。また、小腸と大腸に観察された腫瘍の病理解析を行うとともに、正常小腸の絨毛構造についても病理学的観察を行う。また、「③消化管腫瘍の分子学的解析」を行う。
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