Project/Area Number |
22K12421
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64010:Environmental load and risk assessment-related
|
Research Institution | 大阪市立環境科学研究センター |
Principal Investigator |
中尾 賢志 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (00649014)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 耕佑 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (00828949)
浅川 大地 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究主任 (80470251)
尾崎 麻子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (80332435)
桝元 慶子 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 客員教授 (20332447)
奥田 哲士 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (60343290)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | フィルター / 石英ガラス繊維ろ紙 / PTFEろ紙 / 顕微FTIR / ポリエチレンポリプロピレン重合体 / 道路塵埃 / 大気由来マイクロプラスチック / 反射法 / 波数 / コンタミネーション / ヨウ化ナトリウム溶液 / 空試験 / マイクロプラスチック / 大気環境 / 長期変動 / 発生源推定 / 呼吸器系作用部位 |
Outline of Research at the Start |
浮遊粉じん中マイクロプラスチック(以下,MPs)の長期間濃度変動やその排出源は明らかになっておらず,環境行政施策的に対策を講じられる状況にない。本研究では過去約30年分の浮遊粉じんの試料(月1-4回採取,3-5地点)を用いて大気中のMPsの長期濃度変動を把握することにより,季節変動や地域差,年代別のMPs濃度変化の把握することができる。また,これらのデータを集積し,モデル解析を行うことによって大気中MPsの排出源が推定できる。これにより,これまで対策を講じにくかった大気中MPsの発生源を突き止め,今後の環境行政施策立案に資することができる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
大気中マイクロプラスチック(以下AMPs:Airborne Microplastics)について、浮遊粉じん中AMPsの分析方法を検討した。浮遊粉じんは1992年、2002年、2012年、2022年(いずれも4月)に大阪市内2ヵ所において採取した粉じんを分析した。浮遊粉じんは捕捉したフィルターを1 cm四方に切り取り、5.3Mヨウ化ナトリウム溶液に浸漬し1時間振とうして3時間静置し吸引ろ過した。金属フィルターを顕微FTIRで分析し、AMPsを検出した。浮遊粉じん中AMPsは経年により濃度が高くなる傾向があったが、1992年と2002年の試料は石英フィルター、2012年と2022年の試料はPTFEフィルターで捕捉したものであり、前者は石英が顕微FTIR観察および同定を阻害することから1992年と2002年のデータは過小評価である可能性が考えられた。浮遊粉じんから比較的高い割合でポリエチレンとポリプロピレンの重合体が検出されたことから、AMPsの由来は同じくポリエチレンとポリプロピレンの重合体が多く検出される道路塵埃由来である可能性が考えられた。 上記から得られた結果を降下ばいじんのデータと比較した。降下ばいじんは2021年8、9、10月に大阪市内において採取した粉じんを分析した。降下ばいじんは雨水を金属フィルター(目開き20μm:ろ過範囲直径4 mm円形)に吸引ろ過した。金属フィルターを顕微FTIRで分析し、AMPsを検出した。結果、降下ばいじんからはこれまでの報告事例よりも単位面積当たり多くのAMPsを検出した。降下ばいじんも浮遊粉じんと同様に比較的高い割合でポリエチレンとポリプロピレンの重合体が検出された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の所属する大阪市立環境科学研究センターにおいて新規業務の担当となり、その準備に忙殺され当初の研究計画と比較して進捗状況が遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
PTFEろ紙を用いて捕捉したAMPsであれば石英繊維の阻害がなく顕微FTIRの分析が行えるので、まずは2012年度以降のPTFEフィルターの分析を行う。季節変動を把握するため春夏秋冬に試料を分け、3ヵ月分のフィルターからAMPsを抽出する。PTFEで採取された浮遊粉じんの分析を終えたら石英ガラスフィルターに捕捉された浮遊粉じんのAMPs分析を行う。分析を阻害する石英繊維は孔径100 μmの金属ろ紙にて除去する予定であるが、うまく除去できない場合は新たな方法を検討する。もしくは石英繊維の赤外吸収がある波数帯を除去して顕微FTIRによる分析を行う。試料採取箇所は大阪市内2ヵ所で住宅地帯と工業地帯とする。 上記の結果をまとめ、発生源の推定をおこなう。具体の推定方法はまだ決まっていないが共同研究者と相談のうえ、モデルを用いた発生源推定をおこなう予定である。 最後に浮遊粉じん中MPsがヒトの呼吸器系のどの部位に作用するのかの特定をおこなう。具体的には繊維状のポリプロピレンをアンダーセンサンプラーで分級し、どの程度のサイズのAMPsがヒト呼吸器系に入り込む可能性があるかを検討する。
|