Project/Area Number |
22K12425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64020:Environmental load reduction and remediation-related
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
荷方 稔之 宇都宮大学, 工学部, 助教 (30272222)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | バイオオーグメンテーション / 磁化活性汚泥法 / ベンゾフェノン-3 / 1,4-ジオキサン / 16S rRNA遺伝子アンプリコン解析 / 走化性 / 活性汚泥 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、汚染物質を分解する細菌を用いた浄化技術に加えて、汚染物質に自ら集積する走化性と呼ばれる性質を合わせ持つ汚染物質分解走性細菌を単離するスクリーニング系を確立し、それを用いて汚染試料からこれらの性能を有する細菌の分離を行い、その走化性及び分解特性を調査することにより、生物学的浄化法の一つであるバイオオーグメンテーションの高効率化を与える新規生物学的浄化技術の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
バイオレメディエーションの一つであるバイオオーグメンテーションは、汚染物質を分解する細菌等を外部から導入することにより効率的な浄化を実現する生物学的浄化技術である。本研究では磁化活性汚泥法を用いてモデル汚染物質を分解除去する汚泥を馴化することで磁化活性汚泥法の分解微生物濃縮ユニットとしての可能性を検討し、汚染物質に対する走性細菌を援用して、より効率的な生物学的浄化技術の創成を目指す。 モデル汚染物質として用いた1,4-ジオキサンに加え、紫外線吸収剤として用いられるベンゾフェノン-3(BP-3)に着目し分解細菌の分離を試みた。一般(河川敷)土壌および活性汚泥を分離源とし、5 mg/L BP-3と114 mg/L メタノールを含む合成培地でコロニー形成が確認された275株を分離し、BP-3分解試験を行ったところ、活性汚泥から計19株でBP-3の減少が確認され、特に添加したBP-3の53%および44%を減少させる2株の分解細菌を得ることに成功した。両菌株ともにメタノールの存在下でBP-3の減少率が無添加時よりも増加したことから、共代謝によりBP-3の分解が向上したものと考えられた。また436 mg/Lまでのメタノールの添加の増加はわずかながらBP-3の減少率を増加させた。他にも一般土壌のBP-3培地で継体培養する際に、10 mg/L BP-3の添加よりもBP-3粉末を直接添加した方がBP-3の指標である288nmの吸光度がより大きく減少したことから、細菌の増殖に十分なBP-3が供給されたことで、より多くのBP-3が減少したと考えられた。さらに河川敷の土壌から分離されたコロニーには、褐色の色素を産生するものや無機寒天培地と比較してより大きなコロニーを形成する分離株が複数得られた。以上BP-3の分解に着目した分解細菌の分離を試み、複数のBP-3分解細菌を分離することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1,4-ジオキサンをモデル汚染物質とした磁化活性汚泥の馴養は安定して培養を継続できることが明らかとなった。その馴化汚泥を分離源として複数の1,4-ジオキサン資化性細菌の分離に成功しているが、それらの分解細菌または馴化汚泥構成細菌を用いて1,4-ジオキサンに対して走化性を示す細菌の分離には至っていない。1,4-ジオキサン走性細菌が分離された場合には、その細菌を用いて同定および1,4-ジオキサンに対する走性の濃度依存性や、1,4-ジオキサンを感知する走化性センサー遺伝子の同定などを行う予定である。また、ベンゾフェノン-3(BP-3)をモデル汚染物質としたBP-3分解細菌の分離には成功しているが、これらの細菌群についてもいまだBP-3に対する走化性の調査を行うには至っていないので、今後は両分解細菌の走化性を詳細に調査する。
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Strategy for Future Research Activity |
1,4-ジオキサンを用いた磁化活性汚泥法による活性汚泥の馴化方法は本研究により確立することができた。結果的に1200日を超える継続的な運転を行うことにより、1,4-ジオキサン除去率95%を超える良好な分解を示す馴化汚泥の構築に成功している。また1,4-ジオキサンを炭素源とする培養で資化性細菌を分離することにも成功している。そこで来年度ではこれらの細菌を用いて1,4-ジオキサンに対する走化性を網羅的に測定することにより、1,4-ジオキサンに走性を示す細菌の単離を目指す。また別のモデル汚染物質としてのベンゾフェノン-3を分解する共代謝細菌の分離にも成功しているが、これらの分離細菌に対してもBP-3に対する走性を網羅的に調査することでBP-3分解走性細菌の分離を目指す。
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