Cutting the cost and reducing environmental load of radioactive liquid waste treatment by using raw materials for food and daily necessities
Project/Area Number |
22K12426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64020:Environmental load reduction and remediation-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
廣田 昌大 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50443073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧垣 正吾 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (50444097)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | ヨウ素 / 放射性物質 / 放射能除去 / 廃棄物管理 / 吸水ポリマー / シクロデキストリン / 放射性廃液 / 吸水性ポリマー / 環状オリゴ糖 / 放射性ヨウ素 / 放射性廃棄物 |
Outline of Research at the Start |
放射性ヨウ素は,実験用試薬や治療・診断用医薬品として必要不可欠である。一方,体内に移行すると身体に深刻な影響を与えるため,放射性ヨウ素を含む廃液の排水基準値は,他の放射性同位元素よりも低く設定されている。従って,廃液を放流するには,排水処理設備内で数トンもの水を用いて希釈するか放射能が減衰するまで半年以上保管しなければならないため、高い処理コスト、及び環境負荷を要している。本研究では,申請者がこれまでに放射性ヨウ素の保持・回収に有効であることを示してきた環状オリゴ糖を,高吸水性高分子と組み合わせることによって,排水を伴わない放射性ヨウ素廃液の固形化処理法を実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
放射性ヨウ素を含む廃液を下水道に放流するには,放射能濃度が基準値を下回るまで長期間保管するか,多量の水で希釈する必要がある。水から放射性ヨウ素を分離できれば廃液の処理が容易になる。初年度は,高吸水性ポリマー(SAP)とα-シクロデキストリン(CD)から成る処理剤を作製し,放射性ヨウ素を含む廃液を吸水させて放射性ヨウ素の分離を試みた。その結果,2週間自然乾燥させることによって放射性ヨウ素を最大95%以上残存させたまま水分を分離できることを確認した。しかしながら,廃液を処理するのに2週間を要することは現実的ではない。そこで本年度は,迅速にする方法を検討した。 Na125I及びNaIを精製水及び人工尿に投入し,放射性ヨウ素内用療法を受けた患者の尿中131I濃度に相当する模擬廃液を作成した。模擬廃液にCDを0~5%添加した後,20mlを1又は2gのSAPが投入されたPP製ねじ口容器に注入し,100℃に設定した定温乾燥機内にて9時間乾燥させた。その後,開放状態で90日間静置し, 125I 放射能の変化を観察した。加熱乾燥後の125I残存量は,CD未添加の場合87%であり,5%添加された場合92%であった。さらに,90日静置した後の残存率はそれぞれ74%及び82%であった。続いて人工尿の模擬廃液を1gのSAPに吸水させた後,加熱乾燥したときの125I残存量はCD未添加の場合87%であり,3%添加された場合90%であった。さらに90日静置後の残存率はそれぞれ78%及び83%であった。廃液にCDを添加してSAPさせた後,9時間加熱乾燥することによってヨウ素を90%以上残存させた状態で水分を分離できるとともに,乾燥後も放射性ヨウ素の揮発を20%以内に抑えて安全に保管できることが確認できた。なお,2週間に渡って自然乾燥させるよりも9時間加熱乾燥させた方が放射性ヨウ素の残存率は高い傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度目は,初年度の研究成果を論文としてまとめ,Health Physics誌に投稿した。本論文は,令和6年1月に受理された。さらに,研究実績の概要に記載したように,廃液処理に長時間を要すると言う初年度の課題解決に目途を付けることができた。この成果は「日本放射線安全管理学会 第22回学術大会」 において発表したほか,現在,Health Physics誌又はJournal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry誌への論文投稿に向けて,論文執筆を進めている。このように,実験結果を得るのみならず,学会発表,論文投稿と目に見える形で成果を出すことができていることから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,研究申請時に予定していた「実用を想定した体系での性能評価と問題点の改善」を目的に研究を行う。大型フード内でラップ式トイレを設置し,高吸水性ポリマー(SAP)とα-シクロデキストリン(CD)を投入する。排泄物を模擬した125I含有人工尿(JIS T3214)を200mL注入し,固形化の状況から使用するSAPとα-CD量を決定するとともに,実用に向け,容器の形状や操作方法も検証する。また,廃液の固形化を効率化させるために, RI汚染実験動物乾燥処理装置を利用しても125Iの保持率が変わらないことを併せて確認する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)