Project/Area Number |
22K12440
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸岡 大佑 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (20753792)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 自己治癒材料 / 熱酸化 / 金属粒子 / セラミックス / アルミナ / 自動車材料 / ブレーキ材料 / ナノコンポジット / セラミック基複合材料 / 高温酸化 / アルミニウム |
Outline of Research at the Start |
本研究では軽量・安価な材料を用いて、自己治癒機能を有するセラミックブレーキ材料の創成を目指す。自己治癒機能とは、材料中の分散材が体積膨張を伴って酸化され、表面の傷をはじめとした欠陥を充填し、強度を回復する機能である。 自動車の燃費改善策として軽量化が望まれており、セラミックスに代替することで0.1km/L程度の燃費改善効果が期待される。セラミックスは脆く、強度信頼性が低いため、自己治癒機能に着目した。本研究ではブレーキ作動時に発生する熱により自己治癒を発現させ、セラミックスの致命的な欠点である強度信頼性を大幅に向上させることで、大衆車にも適用可能なセラミックブレーキ材料の創成を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は400℃以下で自己治癒を発現する複合材料の作製を目指しており、今年度は昨年度試作した試料の強度試験を実施した。 各試料粉末を混合し、圧力をかけて900-1000℃で緻密に焼結した試験片を矩形状に切断、研磨した。その後試験片にき裂を導入し、400℃で1,5,30分間大気中熱処理した。顕微鏡で観察したところ、昨年度通り、試験片表面のき裂の消滅は確認された。その後3点曲げ試験を実施した。 平滑材では一定の強度を有していたがき裂導入後の試験片は曲げ強度が低下した。その後熱処理した試験片では、400℃、5分で熱処理した試験片の曲げ強度はき裂導入後試験片よりも曲げ強度を示した。一方、1分で熱処理した試験片では5分で熱処理した試験片よりも低い曲げ強度を示した。したがって、一部の条件では400℃の熱処理により強度向上が認められた。 今年度は試験片の焼結方法の調整および強度試験の実施準備を並行して行ったため、上記の強度試験の実施点数がいずれも少なく、一部の条件で強度向上は示したものの、高い信頼性のある結果といえる段階ではないと判断している。要因として、混合試料粉末の粒子径が比較的大きいため、き裂の導入場所によって強度のばらつきが大きくなると予想されるということが挙げられる。そのため今後は混合試料の粒子径を制御し、より均質かつ緻密な試験片の作製を目指し、試験片の強度回復現象において、より信頼性の高い調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度作製し、亀裂消滅が認められた試験片について、強度試験を行った。一部の熱処理条件では強度回復が認められた。そのため、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
一部の条件で強度回復が認められたものの、現段階では試験点数が少なく、曲げ強度値のばらつきも大きい。これは試験片作製段階の不均質性にあると考えており、混合試料粉末の粒子径が比較的大きいため、き裂の導入場所によって強度のばらつきが大きくなったと予想している。そのため今後は混合試料の粒子径を制御し、より均質かつ緻密な試験片の作製を目指し、試験片の強度回復現象において、より信頼性の高い調査を行う予定である。その後、熱処理温度をより低温、短時間化した条件においても強度回復挙動を調査する予定である。
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