Project/Area Number |
22K12455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
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Research Institution | National Institute of Technology(KOSEN),Numazu College |
Principal Investigator |
伊藤 拓哉 沼津工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90632505)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 木質バイオマス / 直接液化 / 極性溶媒 / 加溶媒分解 / 溶媒極性 / 加水分解 |
Outline of Research at the Start |
木質バイオマスを無極性な軽油中で熱分解すると、性状の良い液体燃料を製造できる。 一方、極性溶媒を用いると液化率が非常に高い。申請者は、軽油に高極性なアルカリ水溶液を混合することで燃料 性状に優れる液体燃料を高収率で得られる事を明らかにした。そこで本研究では、さらなる 液化油収率の向上を目的に、無極性および極性混合溶媒下における反応機構を解明したい。 また、、製品の一部を溶媒として循環利用することを考えた。 循環を重ねていくことで溶媒は徐々にバイオマス由来となる。よって、溶媒循環プロセス設計のため、最終的に溶媒の組成が一定となったときの平衡溶媒組成を予測することも目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年の目標は木質バイオマスの直接液化における軽油-極性有機溶媒混合溶媒中での木材の液化機構を解明することであった。 そこで、極性有機溶媒としては木質バイオマス液化物の中に多く存在する芳香族系の極性溶媒としてベンジルアルコールと、アセトフェノンを用いた。前者はプロトン性極性溶媒として、後者は非プロトン性極性溶媒として選定した。これらの溶媒を軽油に添加した混合溶媒を用いて種々の条件で木材を液化し、液化生成物の解析を行った。具体的には150 μmに粉砕した木材と溶媒として軽油およびベンジルアルコールまたはアセトフェノンを5:1 の割合で混合した混合溶媒を電磁誘導撹拌式オートクレーブへ投入した後、窒素ガスを4 MPaまで充填し、300 ℃で,0 - 60分間温度を保持して反応させた。反応性生物についてはガスに対してはGC-TCD、FIDにて組成分析、液化油に対してはGC-MSによる構成成分の同定、固体残渣に対しては元素分析およびFT-IR による官能基分析を行った。また、上記と同様の条件で溶媒をベンジルアルコールまたはアセトフェノンのみとした実験も行った。 その結果、芳香族系の極性溶媒は昨年度まで用いていた極性溶媒であるアルカリ水溶液と比較して液化油収率がわずかに高くなった。また、プロトン性極性溶媒では液化油中に木質由来成分と溶媒成分がエステル結合したような構造が確認されたことからアルカリ水溶液を用いた場合と同様に主に加溶媒分解によって分解が促進されていることが示唆された。一方非プロトン性極性溶媒では同様に木質由来成分と溶媒成分が結合したような構造の化合物が見られたものの、これらはエステル結合やエーテル結合といった結合ではなく、単にC-C結合でつながっていたことからラジカル反応が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するために本年度検討すべき項目は木質バイオマスの直接液化における軽油-極性有機溶媒混合溶媒中での木材の液化機構を解明することであった。これに関して種々の反応条件化で得られた生成物を分析することで、溶媒極性の種類による反応の違いについての知見を得られたことから、おおむね順調に研究が進展していると言える。さらにその過程で、反応温度、保持時間、反応初圧、軽油-アルカリ水溶液比、アルカリ種等が液化反応に及ぼす影響についても概ね把握 出来たことから次年度以降はさらに極性溶媒として実用に近い物質を用いることを予定している。 また、2025から2026年度にかけて実施予定の溶媒循環に関する基礎的な検討についても少し行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き軽油-極性有機溶媒系における木質バイオマス液化について検討をおこなう。今年度は極性有機溶媒としてプロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒の試薬を用いて検討を行ったが、実用段階を踏まえると試薬を使用することはコストの面から非現実的である。そこで、次年度は木質由来の液体成分として木酢液や木酢タールといった市販されている木質由来の極性成分を用いた検討を行う予定である。
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