カーボン・ニュートラルと地域課題への対応に向けたバイオ炭の普及に関する包括的検討
Project/Area Number |
22K12499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
伊藤 豊 島根県立大学, 地域政策学部, 准教授 (00633471)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | バイオ炭 / 放置竹林 / 剪定枝 / 環境教育 / 島根 / 秋田 / 高大連携 / 温暖化 / 循環型社会 / 脱炭素 / 未利用バイオマス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、脱炭素社会および循環型社会の構築に資する可能性のあるバイオ炭に焦点を当て、経済的な観点から普及可能性を検討することを目的としている。未利用バイオマスを炭化して活用することにより、処理コストを減らすだけでなく、バイオ炭としても用途を広げ ることができれば、資源の効率的な利用と温暖化対策の両立が可能になりうる。本研究では、2022年度に初めてクレジットとして認められたバイオ炭の農地施用を取り上げ、1)バイオ炭施用農地で収穫された野菜の付加価値の創出可能性、2)バイオ炭を施用するにあたっての農家側の問題点、3)バイオ炭製造側の問題点、の3つについて検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、バイオ炭の活用に関する課題を農地施用に焦点をあてて検証し、その利用拡大に向けた政策提言を行うことである。現在、農業部門でのCO2排出量の削減に向けて、生物由来資源を炭化したバイオ炭を活用した炭素貯留・固定効果が期待されている。国内ではバイオ炭の施用に関するJ-クレジット制度の進展や、一部地域でのバイオ炭施用、農地で収穫された農作物の販売などの事例はあるものの、バイオ炭の全国的な活用は進んでいない。そこで今年度は、バイオ炭の認知拡大を目的とした活動を行い、研究の実施に必要な地域的な基盤を構築することを行った。対象地域はバイオマス資源が豊富で、農業を行うにあたり地理的な条件が異なっている島根県と秋田県に設定した。農業従事者と実際にバイオ炭を製造し、バイオ炭の品質証明の取得、農地施用、温暖化貢献農作物の栽培および認証の取得に関するフローを実施した。また、行政や製炭事業者へのヒアリング、他の研究機関との連携を通じて、地域内での循環モデルの構築に必要なアクターとのつながりや共同研究者を得ることもできた。 主な活動実績として、機関紙愛農、秋田果樹通信への記事の掲載、島根県浜田市でのバイオ炭の普及に関する講演および説明会の開催、島根県大田市での高大連携活動の一環としてのバイオ炭の製造、島根県雲南市での行政と農業従事者とのバイオ炭の普及に関する説明会、島根県海士町でのグローカルプログラム研修生への指導などが挙げられる。 今後は、申請目標であった以下の3つの研究に取り組む予定である。 (a) 消費者を対象とした、バイオ炭施用農地から収穫された農作物の選好に関する検証 (b) 農業従事者を対象としたバイオ炭の農地施用に関する課題と条件の抽出 (c) バイオ炭製造事業における経済および技術的課題の抽出と製炭ビジネスモデルの整理
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒアリングや学会への参加、地域住民へのバイオ炭に関する説明会などを実施することにより、島根県および秋田県内において、研究計画を実施するにあたって不可欠な地域の協力者を得ることができた。 本申請で対象としているバイオ炭については、カーボンマーケットの世界的な普及や、国内でのカーボンプライシングの導入、クレジット取得ルールの多様化など刻々と変化しており、最新の情報へのキャッチアップが必要不可欠である。2022年度にバイオ炭のコンソーシアムに加わり、地域モデル部会の運営メンバーに参加できたことで、上記の点についても補完しながら進められると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオ炭コンソシアムの地域モデル部会等の活動に参加することで国内でのバイオ炭の活用について広くモデルの収集を行うと同時に、普及についてネックとなっている主な課題を抽出する予定である。また、農家のバイオ炭施用のインセンティブになりうる、施用農地で収穫された農作物の付加価値に関する消費者選好についても、アンケート調査を通じて検証する予定である。また、バイオ炭の認知向上を狙いとした環境教育にも島根県大田市の小学校および浜田市の大学で取り組む予定である。浜田市では実際に大学周辺の農地を借りて、学生が製造したバイオ炭を農地に施用し、農作物を生産するプロセスを経て、クレジットの取得および販売についても検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)