Capital shadow price dynamics and sustainability in wealth accounting
Project/Area Number |
22K12510
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
山口 臨太郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会システム領域, 主任研究員 (30557179)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 富会計 / ジェニュイン・セイビング / 持続可能性 / シャドープライス / 自然資本 / 包括的富 / ハートウィック・ルール / 炭素の社会的費用 |
Outline of Research at the Start |
自然資本、人的資本、人工資本の価値を合計した、一国の包括的な富の変化によって持続可能性を判断する際、各資本に重みづけを行うシャドープライスが重要な役割を果たす。 まず、1)近年の研究を踏まえ、シャドープライスが何を意味するのかを整理する。次に、2)シャドープライスが時間とともに変化する場合、平均値を使うことで生じる福祉変化の評価バイアスを検討し、今後の富会計に、シャドープライス変化をどう取り込むべきかを検討する。これらを踏まえ、 3)グローバルな自然の希少性を表すシャドープライスをローカルな富会計でどう表現すべ きかを検討する。 4)炭素の社会的費用を組み込んだ、化石燃料の価値評価を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1)シャドープライスの意味についての整理、2)シャドープライスの時間変化の分析、3)グローバルな自然の希少性を表すシャドープライスの富会計への統合、4)炭素の社会的費用を組み込んだ化石燃料の評価、の4点を行う。 昨年度までに、各国の持続可能性にグローバルな自然の希少性への貢献を反映させるため、グローバルな自然に対する負荷(エコロジカル・フットプリント)の減少を、自然資本利用の効率性の改善として各国の資本に加える枠組みを構築した。効率性は知識資本の関数と見なせることから、知識資本のシャドープライスを算出できる。 本年度はこの枠組みに基づいて、主要国の持続可能性を算出した。過去20年で、人工資本や人的資本の増加と比肩しうるほど、自然資本利用の効率性が改善したが、貨幣価値ベースでは、自然資本などの劣化を埋め合わせるほど十分ではなかった。その上、中東の産油国やサブサハラ・アフリカでは、効率性は悪化していた。
炭素の社会的費用が持続可能性に与える影響の分析については、補完的な二つのアプローチを並行して進めた。(1)化石燃料の評価に将来の炭素の社会的費用を統合するアプローチについて、枠組みの検討を進めた。世界全体が一つの国であるような状況を想定し、二酸化炭素の排出を責任の所在とは関係なく、最上流の化石燃料評価に結び付ける枠組みである。そのため、産油国の自然資本をより適切に評価できる。 (2)世界の現在の二酸化炭素の排出の社会的費用と各国の将来の二酸化炭素排出削減の費用と便益の割引現在価値を算出するアプローチについては、文献やデータベースに基づいて各国の持続可能性を試算した。その結果、サブサハラ・アフリカをはじめとする途上国において、現在と将来の二酸化炭素排出の純費用が、人工資本の増加の価値を打ち消すほどであった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究の半分以上を実施できている。また、二酸化炭素の排出については、当初の計画に加えて、異なるアプローチからも分析を行っている。二つ目のアプローチについて、文献やデータベース間の整合性が課題である。
|
Strategy for Future Research Activity |
二酸化炭素排出の社会的費用が持続可能性に与える影響の分析については、以下の補完的な二つのアプローチによる分析を深める。 (1)化石燃料の評価に将来の炭素の社会的費用を統合するアプローチについて、理論枠組みの改善を行う。具体的には、CO2ネットゼロに向けて採掘量が減少するシナリオの下での化石燃料のシャドープライスを算出し、化石燃料のストックと減耗の評価を行う。 (2)世界の現在の二酸化炭素の排出の社会的費用と各国の将来の二酸化炭素排出削減の費用と便益の割引現在価値を算出するアプローチについては、文献やデータベースに基づいた試算に加えて、モデル計算による試算を行う。
|
Report
(2 results)
Research Products
(22 results)